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「成長戦略に向けた緊急提言」イノベーションと規制に関する検討会報告書
サイエンスアゴラ2009での
公開討論の様子
(平成21年11月3日 第三回検討会)
「イノベーションと規制に関する検討会」(座長:阿部博之 前総合科学技術会議議員、事務局:JST)は、このほど、検討会での議論をもとに報告書「成長戦略に向けた緊急提言」をまとめました。
近年、様々な分野でイノベーションという言葉が使われるようになっています。例えば、2009年に閣議決定された「新成長戦略」では日本が強みを生かすべき成長分野としてグリーン・イノベーションとライフ・イノベーションを挙げています。
また、近年の科学技術政策を巡る議論の焦点は、「いかに国による科学技術投資をイノベーションに結びつけるか」にあると言えます。
イノベーションと規制の関係を考えたとき、研究開発投資によって研究成果が出ても、それが社会に実装される段階で様々な規制が障害となる場合や、逆に規制が行われることによってイノベーションが加速され、企業の競争力が向上する場合があります。
規制がイノベーションを阻害する場合はもちろん、促進する場合にしても、イノベーションを起こして新しい時代を切り拓くには、社会の変化や技術の進展などに応じて機敏に規制を見直すことが重要です。規制の見直しは、直接的な投資を必要としない有力なイノベーション政策と見ることもできます。
このような問題意識に基づき、JSTは広聴活動(※)の一環として、大学、産業界、行政機関等の有識者で構成される「イノベーションと規制に関する検討会」を設け、国際競争力、社会の革新という視点で考えた場合に規制がどうあるべきかなどについて議論を重ねてきました。
この報告書は検討会の議論とその結果生まれた提言をまとめたものです。
提言
- 1) 省庁を越えた検討・推進体制を
- 2) 求められる政治主導
- 3) 科学技術基本計画に明記すべき
- 4) 駆け込み寺機能が必要
- 5) 事業仕分けの手法の応用も
- 6) イノベーション特区の設定
- 7) レギュラトリーサイエンスの振興
報告書ダウンロード
- 「イノベーションと規制を考える」HP:
- https://www.jst.go.jp/pr/kouchou2009.html
※広聴活動:JSTは、研究開発や教育の現場と科学技術政策の中間に存在するという特色があり、その立場を生かした政策提言などを行う必要があると考えています。そのための活動として科学技術の様々な問題に関して現場や社会からの声を広く聴く「広聴活動」を進めています。