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JSTレクチャー会の実施(CREST)
−2009年12月4日(金) JST研究開発戦略センター 会議室−

JSTレクチャー会の実施(CREST)

去る12月4日、戦略的創造研究推進事業(CREST)「人工多能性幹細胞(iPS細胞)作製・制御等の医療基盤技術」研究領域の研究総括である、須田年生教授(慶應義塾大学医学部)を講師として、日頃科学技術に関して取材をされている記者の方々などへ研究内容等について解説を行うJSTレクチャー会を実施しました。

須田教授は、ヒトiPS細胞が登場したことによって、細胞移植治療など新規医療への期待が急速に高まったものの、作製されたiPS細胞の質の評価や、既存の医療との関わり、実用化への確実な移行など、検討しなくてはならない課題が多く存在しており、臨床応用への研究も重要としつつも、iPS細胞にはまだ基礎的な知見が不足していると説明しました。そして、研究者の努力・協力によってiPS細胞を改良させていくことが必要であり、標準化というよりむしろ至適化が重要になっていくだろうと述べました。

次に、現在CRESTにて実施されている研究課題の内容を紹介しました。昨今、海外の研究成果がメディアに取り上げられることが多いように思われますが、日本においても優れた研究が行われており、転写因子ネットワークの研究、エピジェネティクスの研究、生殖細胞に関する研究などが、「iPS細胞とはどういうものか」を解明し、iPS細胞の作製効率の向上や実用化などに寄与していくところが大きいだろうと述べました。また、新たな細胞リプログラミングを探る研究、iPS細胞を他の細胞に分化させて利用する研究、iPS細胞を用いて病態の解明を図る研究など、さまざまな取り組みがなされていることを紹介しました。こうした基礎的な研究課題は専門家以外の方にとってわかりづらい内容を多々含んでいますが、メディアとの協力によって、一般の方々にわかりやすく紹介できていければ、と期待を示しました。

終了後は、記者と須田教授の間で、日本と海外における研究についての取り組みの違いや、今後の研究が進むと思われる方向、また報道と研究との関わりなどについての質疑応答が交わされました。