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第2回国際シンポジウム “ナノワイヤー太陽電池~最先端の太陽電池研究で福島復興へ~” 開催報告
2014年07月22日(火)、23日(水) 福島県郡山市市民交流プラザ大会議室

 文部科学省「革新的エネルギー研究開発拠点形成事業」では2014年07月22、23日に第2回国際シンポジウム“ナノワイヤー太陽電池 ~最先端の太陽電池研究で福島復興へ~”を、福島県郡山市市民交流プラザ大会議室にて、本事業の拠点形成支援機関である科学技術振興機構(JST)の主催、郡山市の共催により開催しました。

 今年4月、新しく開所した産総研福島再生可能エネルギー研究所(郡山市)に、当事業の研究開発リソースを結集させたところです。これに伴ってシンポジウム会場も、前回の東京から郡山に移しての開催といたしました。

 開会にあたり、JST外村理事による主催者挨拶の前後で、文部科学省研究開発局の磯谷審議官、郡山市の品川市長、東京大学橋本教授から期待と激励の言葉をいただきました。その後、本事業の研究総括である小長井誠教授(東京工業大学)からプロジェクトの概要説明がありました。

 本プロジェクトの3人のチームリーダー(中嶋 一雄 JST研究員、宮島 晋介 東京工業大学准教授、市川 幸美 JST研究員)より、最新の成果が発表されました。チーム1では、Noncontact crucible 法によるシリコンのライフタイムの向上、チーム2では、超格子法、テンプレート法などによるシリコンナノワイヤーの成長、チーム3では、トップセル用の幅1.5nmのシリコンナノウォールの作製、ボトムセル用のシリコンヘテロ接合セルで開放電圧720mV以上の実現等、各チームで着実に研究成果をあげていることが報告されました。

 産総研福島再生可能エネルギー研究所からは、近藤道雄 所長代理より、同研究所での取り組み等を紹介頂きました。

 海外からは、太陽電池分野の第一線で活躍する6名の研究者、Juergen Werner 教授(ドイツ・シュトゥットガルド大学)、Tonio Buonassisi 准教授(アメリカ・マサーチューセッツ工科大学)、Antonin Fejfar副委員長(チェコ・ 科学アカデミー科学委員会)、Miro Zeman 教授(オランダ・デルフト工科大学)、Ivan Gordon 課長(ベルギー・IMEC)、Ruud. E. I. Schropp 教授(オランダ・アイントホーフェン工科大学)より、Si太陽電池のコスト計算やSiウエハの不純物低下など、低コスト化を意識した発表とともに、ナノ構造による光閉じ込め効果やナノアレイ構造の太陽電池等の理論解析、薄いウエハを用いたSiヘテロ接合セルなど、高性能化についての新しい知見が発表されました。

 その後のポスターセッションでは、研究グループメンバーから18件のポスター発表が行われ、ナノワイヤー太陽電池の要素技術等に関する研究開発の進捗状況が発表され、活発に意見交換が行われました。

 国内外の産学官から多数の参加者が集い、本プロジェクトの研究メンバー、福島復興を推進する行政関係者等を含めて約110名が参加しました。尚、シンポジウム前には、福島再生可能エネルギー研究所でのサイトビジットを実施し、約30名が新しい研究開発施設を見学しました。第1回シンポジウムに続き、太陽電池分野における世界の最先端の研究開発状況を把握し、今後の研究活動をより充実させる手がかりが得られたと同時に、郡山での開催によって、拠点形成の本格的な始動を印象づけるシンポジウムとなりました。

 当日の開催概要、プログラムはこちら

* 講演の一部をご覧頂けます。 → JSTチャンネルへ

  • シンポジウムの様子1
  • シンポジウムの様子2
  • シンポジウムの様子3
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