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「領域紹介」

領域紹介

戦略目標

細胞リプログラミングに立脚した幹細胞作製・制御による革新的医療基盤技術の創出

研究領域の概要

本研究領域は、日本発となるiPS細胞を樹立する技術によって大きなブレークスルーがもたらされると考えられる分野、すなわち、細胞のリプログラミング、分化転換、幹細胞生物学などを対象とします。
これまでにはない自由で創意に満ちた発想による基礎研究とともに、医療などに将来貢献できる基礎研究も対象とします。

具体的には、
1)リプログラム機構の分子レベルでの解析に基づくリプログラミング技術の高度化・簡便化、
2)幹細胞分化転換過程の解析と人的調節、
3)iPS細胞を用いたエピジェネティック過程の分子機構解析、
4)iPS細胞を駆使する疾患発症機構の解析、
5)ヒト疾患モデルの構築などの研究が含まれます。

これら研究の成果は、疾患の原因の解明や新治療薬の開発に寄与するとともに、
倫理的問題や拒絶反応のない細胞移植療法の実現に向けて貢献できるものと信じています。


研究総括からのメッセージ

2007年ヒトでのiPS作成が山中博士によって報告されるや否や、世界のメディアはここから生まれる大きな可能性を伝えようと奔走しました。そして、メッセージは確かに伝わったようです。我が国の政府も、我が国発のこの成果をさらに推進すべく、異例ともいえるスピードで特別の研究予算を編成し、その執行にまで進んでいます。私が研究総括を務めるJSTさきがけ研究もその一つで、初年は10人の研究者が選ばれ、それぞれが設定したテーマについて研究を始めたところでです。
 ヒトiPSの報告からまだ1年もたっていないのですが、すでに「大きな予算に見合うだけの研究成果が出ているのか?」「日本は海外のiPS研究に既に遅れ始めているのではないか?」という懸念がメディアをはじめ様々な方面から出始めています。この点については、孤軍奮闘とはいえ、山中博士のグループはこの分野のリーダーとしての位置を保っていることは間違いありません。ただ、「この分野の研究が山中研究室を出て、日本全体へと広がっているのか?」と考えてみると、まだまだ時間がかかるのではと思っています。
 10年前ドリーが生まれた後、「体細胞を直接ES細胞にプログラムし直す」というテーマは、生命科学の中でも重要な課題の一つになりました。そして、10年をへて、山中博士がiPSを報告するまで、この課題に対して様々な方向から挑戦が行われました。とはいえ、この報告が行われる直前まで、だれもこんなに早くこの課題が実現するなど想像できませんでした。山中博士の報告は、それほど衝撃的で、他の研究者から見ると、可能性と現実が同時に来てしまったといった感じでした。
 このような状況では、この成果がどれほど大きな可能性を秘めていても、山中グループと同じレベルで新しく生まれた可能性に挑戦できる研究グループは多くありません。何年も前から山中博士と同じ目的を持って様々な可能性を試してきたグループだけが、山中博士の成果を即座に取り込み研究を展開する能力を持っていたといえます。MIT, Harvard, Cambridgeなどから、山中グループと競う論文が続々報告されるのは、彼らがこの分野での十分な経験を有していたからにほかありません。
 しかし、iPSの可能性、面白さ、広がりは大変なものですから、今後多くの研究者が必要な準備を積んだ後、新たなチャレンジへと踏み出すのだろうと予想しています。今回さきがけ研究に選ばれた諸君のほとんどは、この分野の経験がありません。しかし、この新しい課題に挑戦したいという強い気持ちはだれにも負けません。必ず、準備を重ねる中で、この分野にオリジナルな貢献を果たしてくれるだろうと確信しています。私も総括として、この彼らの気持ちがめげることなく、大きな成果へと繋がるよう全力で支援したいと思っています。

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