本文へ移動
 
藻類・水圏微生物の機能解明と制御による、バイオエネルギー創成のための基盤技術の創出
藻類・水圏微生物の機能解明と制御による、バイオエネルギー創成のための基盤技術の創出
Japanese English

研究チーム・研究者紹介

さきがけ 2期生

新井 宗仁

新井宗仁
東京大学大学院総合文化研究科 准教授

ラン藻由来アルカン合成関連酵素の高活性化

ラン藻由来アルカン合成関連酵素の活性を向上させた変異体を創出し、ラン藻によるバイオ燃料生産の高効率化を目指します。2つの相補的アプローチで研究を進めます。(1) X線結晶構造解析により酵素の立体構造を解明し、高活性化の合理的設計を行います。(2) 新たなオミクス技術であるミュータノーム解析(網羅的な変異解析)により、高活性変異体の経験的設計を行います。

ラン藻由来アルカン合成関連酵素の高活性化

伊藤 卓朗

伊藤卓朗
慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任助教

微細藻におけるオイル産生代謝機構の解明

一部の単細胞緑藻はストレスにより増殖を停止し細胞内に中性脂質を蓄積する事が知られており、次世代バイオ燃料源として期待されています。本研究では、緑藻のモデルである Chlamydomonas reinhardtii を用いて、安定同位体を利用した経時的メタボローム解析により代謝の流れを解明し、中性脂質を高度に生産させる品種改良法の構築を目指します。

微細藻におけるオイル産生代謝機構の解明

岩坂 正和

岩坂正和
広島大学ナノデバイス・バイオ融合科学研究所 教授

水圏生物のマイクロミラーによるエネルギー変換伝達機能の獲得

本研究は水圏生物に特有の水中“マイクロミラー”を利用し、太陽光エネルギーを回収する新技術の創成を目指します。水圏微生物体内のフォトニック結晶や魚類ウロコの色素胞に含まれるグアニン結晶板などの構造色系組織が、低摩擦・低エネルギーのロスによってブラウン運動を起こすメカニズムを解明し、このマイクロミラーの配向を磁気的に制御することで、微細な光制御機構による光エネルギー変換伝達の効率化を水圏生物から獲得します。

水圏生物のマイクロミラーによるエネルギー変換伝達機能の獲得

梅野 太輔

梅野太輔
千葉大学大学院工学研究科 准教授

超高効率でイソプレノイド燃料をつくる藻類の創製

新規に提案するスキームによって、シアノバクテリアのイソプレノイド経路を大規模に再構築し、これに独自に開発した進化工学法によって鍛えた、高活性なテルペノイド酵素群を導入します。最終的に得られた遺伝子経路は、ポータブルな形でクラスター化し、組み換え系の確立しているその他の藻類への移植を試みます。二酸化炭素を原料として、あらゆる内燃機関に対応する、多様なテルペン燃料を供給するバイオ生産システムの開発を目指します。

超高効率でイソプレノイド燃料をつくる藻類の創製

得平 茂樹

得平茂樹
首都大学東京大学院理工学研究科 准教授

糸状性シアノバクテリアを用いた細胞間分業による効率的バイオアルコール生産

これまでバイオマスとしての利用が検討されてきた微細藻類は単細胞性であり、そこでは、一つの細胞内で光合成を始めとする様々な生体反応が行われた上で、バイオマスを生産しています。そのため、代謝系とその制御システムは非常に複雑なものになっています。本研究では、数百の細胞がつながった糸状性シアノバクテリアが作る機能分化した細胞ヘテロシストを利用して、細胞間での分業による効率的なバイオアルコール生産システムを開発します。

糸状性シアノバクテリアを用いた細胞間分業による効率的バイオアルコール生産

田村 隆

田村隆
岡山大学大学院環境生命科学研究科 教授

好気条件下で水素(H2)製造反応を触媒する[NiFeSe]型ヒドロゲナーゼの分子構築

燃料電池は、水素と空気から直接電力を取り出す夢の発電法として注目されています。その水素を大量に製造するために微生物のヒドロゲナーゼ(H2ase)が期待されてきました。しかしH2aseは空気中の酸素に弱く、実用化は困難でした。本研究では、比較的酸素耐性が高いとされる新型H2aseに対して京速スパコンを用いた蛋白質量子計算を行い、大気中でも水素生産が可能なH2aseを開発します。

好気条件下で水素(H2)製造反応を触媒する[NiFeSe]型ヒドロゲナーゼの分子構築

富永 基樹

富永基樹
早稲田大学 教育・総合科学学術院 生物学専修 専任講師

生物界最速シャジクモミオシンを利用した植物成長促進システムの開発

本研究では、植物ミオシンに生物界最速のシャジクモミオシン、あるいは低速タイプミオシンのモータードメインを融合することにより、植物の原形質流動速度を人工的に調節します。高速化による植物大型化や低速化による小型化によって、人工的な植物サイズ制御システムを確立します。原根形質流動は植物共通の輸送システムであることから、将来的には、食糧やバイオマスに関連した有用植物への応用展開を図ります。

生物界最速シャジクモミオシンを利用した植物成長促進システムの開発

中澤 昌美

中澤昌美
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科 助教

微細藻類ユーグレナの新規形質転換法の開発と応用

ユーグレナ(ミドリムシ)は、大気濃度から40%までの幅広い濃度のCO2のもと光合成を行い、ワックスを作る能力を持っています。ワックス生産能を2倍にすると、生産・抽出など全ての工程を踏まえた「CO2排出ゼロ」を達成できます。本研究では世界初のミドリムシ核ゲノム形質転換系を確立し、これまで我々が研究してきたミドリムシ独自の代謝系を制御することで、真にカーボンニュートラルなバイオ燃料生産を目指します。

微細藻類ユーグレナの新規形質転換法の開発と応用

成川 礼

成川礼
静岡大学学術院理学領域生物科学専攻 講師

多様な光スイッチの開発による細胞外多糖生産の光制御

光合成生物は光合成を効率よく行うために、様々な光センサーを駆使し、変動する光環境に馴化しています。一方、近年、光合成を利用したバイオエネルギー生産が注目されていますが、実際的な産業利用のためには、生産効率の向上が必須課題となっています。そこで、本研究では、光センサーとその制御系の新たな組み合わせを創出することで、多様な光スイッチを開発し、効率的な細胞外多糖生産系の確立を目指します。

多様な光スイッチの開発による細胞外多糖生産の光制御

蓑田 歩

蓑田歩
筑波大学生命環境系 助教

循環型エネルギーを利用した硫酸性温泉紅藻によるレアメタル回収システムの開発

硫酸性温泉紅藻の金属回収機構の解明により、 循環型エネルギーを利用したレアメタルリサイクルシステムの開発を行ないます。このシステムでは、金属精製や金属廃棄物処理から生じるレアメタルの回収と水質浄化の工程で生じるCO2を固定してバイオ燃料を生産することで、カーボンニュートラルな金属リサイクルの達成を目指します。

循環型エネルギーを利用した硫酸性温泉紅藻によるレアメタル回収システムの開発