科学技術振興事業団報 第95号


平成11年3月8日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「生ごみ高速減容化システム」を委託開発課題に選定ならびに開発企業を選定

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、大阪府立産業技術総合研究所 主任研究員 宮内修平氏、主任研究員 井本泰造氏らの研究成果である「生ごみ高速減容化システム」を委託開発課題として選定するとともに開発企業を選定した。
 青果、水産物などの生鮮食料品の約50%は大都市などに開設されている中央卸売市場を通じて流通している。中央卸売市場では、流通に適さなくなった野菜や果物、水産物の加工により不用となった魚あらなどの生ごみが年間25万トン程度発生していると推測されている。これらの生ごみは、ほとんどが自治体のごみ焼却施設に可燃ごみとして搬入され焼却処理されているが、一般の生ごみと異なり、水分の含有率が90%程度と極めて高いため、燃焼しにくく処理コストもかさむため、焼却処理によらない生ごみの減容化技術の実用化が求められている。
 本新技術は、水分の含有率が高い生ごみを微生物発酵させ、生ごみ中の有機物の分解と水分蒸発を行うことにより生ごみを短期間で減容化するシステムに関するものである。本システムは、ロータリーキルン型発酵装置内に投入された生ごみ内部に空気を十分に供給して好気性発酵を促進させるとともに、生ごみの種類や状態に応じて発酵装置内に熱風を供給して温度や水分を制御し、発酵を安定化させることにより生ごみの減容化を行う。また、発酵により蒸発した水分などに含まれる臭気成分は、熱分解して脱臭するものである。
 本新技術による生ごみ減容化システムは、中央卸売市場などで大量に排出される、水分が多く、日によって種類や状態が一様でない青果、水産物等の生ごみを、1週間程度の短期間で1/10程度に減容化できるなどの特徴を持つため、中央卸売市場などに付設するごみ処理システムなどへの展開が期待される。
 本新技術の開発は、日立造船株式会社(代表取締役社長 南 維三、本社 大阪市住之江区南港北1-7-89、資本金50,294百万円、電話06-6569-0062)で実施し、開発期間は2年6ヶ月間、委託開発費は15億円を予定している。今後、科学技術庁長官の認可を受けた後、新技術の開発を実施する。

「生ごみ高速減容化システム」(背景・内容・効果)

開発を実施すべき新技術の評価

新技術のシステム構成

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