戦略的基礎研究推進事業「内分泌かく乱物質」研究領域における
平成10年度採択研究代表者および研究課題一覧


研究代表者氏名
研究者所属及び役職
研究課題名
梅澤 喜夫
ウメザワ ヨシオ
東京大学
大学院理学系研究科化学専攻
教授
内分泌かく乱化学物質の細胞内標的分子の同定と新しいバイオモニタリング
香山 不二雄
カヤマ フジオ
自治医科大学
医学部衛生学教室
助教授
植物由来および人工の内分泌かく乱物質の相互作用
堤  治
ツツミ オサム
東京大学
医学部産科婦人科学教室
助教授
ヒトを含む哺乳類の生殖機能への内分泌かく乱物質の影響
遠山 千春
トオヤマ チハル
国立環境研究所
環境健康部
部長
リスク評価のためのダイオキシンによる内分泌かく乱作用の解明
名和田 新
ナワタ ハジメ
九州大学
医学部内科学第三講座
教授
核内受容体・共役因子複合体と内分泌かく乱物質
藤井 義明
フジイ ヨシアキ
東北大学
大学院理学研究科
教授
内分泌かく乱物質の生体毒性発現の分子メカニズムとモニター系の開発
諸橋 憲一郎
モロハシ ケンチロウ
岡崎国立共同研究機構
基礎生物学研究所
教授
性分化機構の解明
(アイウエオ順)

総評 研究統括 鈴木 継美

 「内分泌かく乱物質」についての応募件数は196件あり、最近の研究者の関心の大きさをうかがわせるものであった。
 化学物質による内分泌かく乱という現象の基礎的メカニズムについて興味ある提案が多数あり、単に性ホルモンレセプターを介しての影響だけでなく、複雑な分子機構の内部に立ち入った解析を企図するものが目立った。この種の研究はダイオキシン類を含む、各種の物質の内分泌かく乱にかかわるメカニズムの解明に直接つながると共にホルモン作用自体の解明にも寄与すると期待される。また、環境中に放出され、ヒトや野生生物に影響を与える化学物質の中の内分泌毒性をどう把握するかについて、いくつかの興味ある提案があった。生物学領域の研究者、特に内分泌系にかかわる人々が内分泌かく乱物質に目を向けはじめ、多数の応募がなされたが、中にはまったくの準備段階のものもあり、それなりの積み重ねによって今後の展開を待つべきと判断されるものも含まれた。
 対策技術についても興味ある提案があったが、基礎的メカニズムの解明に焦点を置いたので採択にはいたらなかった。
 本研究領域で扱うべき分野はきわめて広い。今回洩れたテーマも多いので、今後の展開が大切と考えている。


This page updated on January 5, 1999

Copyright© 1999 Japan Science and Technology Corporation.

www-pr@jst.go.jp