戦略的基礎研究推進制度における戦略目標について


平成10年9月
科 学 技 術 庁

 近年の内分泌かく乱物質に関する問題への取り組みの重要性に鑑み、平成7年度に設定された戦略目標「環境にやさしい社会の実現」を以下のように改訂する。

戦略目標:環境にやさしい社会の実現

 地球上の人口は現在約58億人であり、1970年を境に増加は減速しつつあるものの、依然として年率1.5%で増加しており、2025年には83億人、2050年には98億人に達すると予想されている。今後人類が、真に豊かで快適な生活を実現し、維持していくためには、地球規模での無制限な開発や化石燃料の過剰使用等による環境の破壊を来すことなく、必要な食料及びエネルギーを確保するとともに、種々の人間活動やその結果生じる廃棄物等の生態系への影響を極力低減していくことが重要である。近年顕在化してきた内分泌かく乱物質の問題については、科学的に不明な点が数多く残されており、早急に知見を集積し、必要な対策を立てていくことが重要である。
 このためには、地球規模の諸現象の解明とその予測を行うとともに、これらを基礎として人間の諸活動の環境への影響を正確に把握することや、環境保全関連技術の確立、内分泌かく乱物質の生体への影響の把握が不可欠であり、それらを踏まえて環境にやさしい社会を構築していくことが必要である。
 したがって、戦略目標を、地球変動のメカニズムの解明とその予測、環境への影響の把握、環境保全関連技術の確立、内分泌かく乱物質の生体への影響メカニズムの解明等により人間の諸活動の環境への負荷の低減を目指す「環境にやさしい社会の実現」とする。


This page updated on January 5, 1999

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