科学技術振興事業団報 第85号

平成10年12月14日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「二次電池用電極基板の製造技術」の開発に成功

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、通商産業省工業技術院大阪工業技術研究所エネルギー・環境材料部長 石川博氏、同研究所 金属材料化学研究室長 上原斎氏の研究成果である「二次電池用電極基板の製造技術」を当事業団の委託開発制度の平成5年度課題として、平成6年3月から平成10年3月にかけて日本重化学工業株式会社(代表取締役社長 小島卯、本社 東京都中央区日本橋小網町8-4、資本金 約68億円、電話 03-3667-1331)に委託して開発を進めていた(開発費約7億円)が、このほど本開発を成功と認定した。
 近年、パソコン、携帯電話など電子機器のポータブル化に伴い、これら機器の電源として、小型・軽量(高エネルギー密度)かつ短時間充電、高負荷使用(高速充放電)が可能で、長期間の繰り返し充放電使用が可能(長サイクル寿命)な高性能二次電池(注1)が要請されている。また、環境にやさしいとされる電気自動車などにおいても、二次電池の高性能化は不可欠である。
 本新技術は、高性能二次電池を得るために必要となる電極基板の製造に関するものである。具体的には、ニッケル微粒子、バインダーなどからなる懸濁液を発泡ウレタン樹脂に含浸し、このウレタン樹脂を熱分解して除去するとともに、水素雰囲気中で還元焼結することで、ニッケル多孔質構造の二次電池用電極基板(電極活物質保持体)を製造するものである。
 本新技術による電極基板は、微細な多孔質構造を持つことから、ニッケル水素電池などの二次電池において、電池容量、充放電特性、サイクル寿命などの電池性能の向上が図れる。このため、ノート型パソコン、携帯電話などの携帯電子機器や電気自動車などの二次電池に広く利用が期待される。

「二次電池用電極基板の製造技術」(背景・内容・効果)

「二次電池用電極基板の製造技術」と従来技術の比較

開発を終了した課題の評価

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