「戦略的基礎研究推進事業」平成10年度
採択研究代表者および研究課題一覧


7.研究領域「地球変動のメカニズム」
研究代表者氏名 研究者所属及び役職 研究課題名
アサノ  トオル
浅野 透
京都大学
生態学研究センター
教授
熱帯林の林冠における生態圏-気圏相互作用のメカニズムの解明
ウエマツ ミツオ
植松 光夫
東京大学
海洋研究所
助教授
海洋大気エアロゾル組成の変動と影響予測
コイケ  トシオ
小池 俊雄
長岡技術科学大学
工学部
助教授
大気-陸域相互作用のモデル化と衛星観測手法の開発
ヨシザキ マサノリ
吉崎 正憲
気象研究所
予報研究部
室長
メソ対流系の構造と発生・発達のメカニズムの解明
(アイウエオ順)

総評 研究統括 浅井 冨雄
  「先導性のある基礎研究」

 昨年度に引き続き、今回もチャレンジングな研究提案やよく準備され錬られた力作が応募課題に多数含まれていた。
 地球変動には時空スケールの異なる多種多様な現象がかかわっている。それらのいづれかにでも解明の手がかりを与え、突破口や展望が開かれるような発展性のある先導的基礎研究の提案が望まれる。本領域でこれまでに申請された研究課題には、国内の関係諸組織のみならず海外の研究者や研究機関の協力を必要とする野外実験観測が重要な柱の一つとなっているものが多い。本戦略的基礎研究事業はその研究費の規模・研究期間・仕組み等においてこれまで実施が困難であった研究者の夢や希望を実現させる貴重な手掛かりを与えているように思う。しかしながら、同時に、大規模な共同研究の組織化とか観測データの蓄積、研究設備の充実が目的ではなく、小さくてもキラリと光る独創的な成果を擧げることを大切に考えて欲しい。
 本年度も専門分野を異にする6名の学識経験者にアドバイザーとして選考に御協力いただいた。応募件数が多いので書類と面接の2段階方式で選考している。各選考委員がじっくり時間をかけて提案書類を審査し独自に評価し、その結果を持ち寄って検討し、審議の結果3~4倍(本年14件、昨年17件)に厳選する。書類選考に合格したものについて面接を行い、慎重審議を経て、最終的に4件が採択された。今回採択されなかった提案課題にも魅力的なものもあるが、苦汁の選択をせざるを得なかった。来年度には、さらに多くの優れた研究計画が提案されることを期待している。


This page updated on September 25, 1998

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