科学技術振興事業団報 第74号

平成10年7月28日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「Co基合金の連続鋳造技術」の開発に成功

  科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、千葉工業大学 名誉教授 大野篤美氏らの研究成果である「Co基合金の連続鋳造技術」を当事業団の委託開発課題の平成6年度課題として平成7年3月から平成10年3月にかけて大阪富士工業株式会社(社長 大島時彦、本社 兵庫県尼崎市常光寺1丁目9番1号、電話 (06)487-1865、資本金 9,200万円)に委託して開発を進めていた(開発費 約1.2億円)が、このほど本開発を成功と認定した。
 コバルトを主成分とする合金(Co基合金[総称:ステライト系合金])は、耐熱性、耐摩耗性、耐酸化性などが優れている反面、塑性加工や研削加工がしにくいなど難加工性材料としても知られている。
 本新技術は、Coを主成分とする溶湯を凝固温度以上に加熱した鋳型に供給し、鋳型出口において溶湯を冷却、凝固させることにより、難加工性のCo基合金を連続鋳造するものである。
 本新技術では、加熱鋳型を用いて鋳型出口で溶湯の凝固を制御することにより、スや偏析等の鋳造欠陥を極めて少なくすることができ、また、直径3mm程度の細線や板状棒材、三角棒材などの異形断面形状に連続鋳造することができる。
このため微細部分の溶接のための高品質溶接材料、高温下で使用されるレールなどの耐熱・耐摩耗性機械部品などに広く利用されることが期待される。

「Co基合金の連続鋳造技術」(背景・内容・効果)

写真1 本新技術による細線(φ3.2mm)とその伸線加工線(φ1.6mm)

写真2 本新技術による異形断面鋳塊

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