科学技術振興事業団報 第72号

平成10年7月28日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「マイクロロッドレーザ装置」の開発に成功

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、福井大学工学部教授 小林喬郎 氏の研究成果である「マイクロロッドレーザ装置」を当事業団の委託開発制度の平成6年度課題として、平成7年3月から平成10年3月にかけて株式会社応用光電研究室(社長 安松義、本社 東京都杉並区和田1丁目13番23号、資本金約1億6千万円、電話(048)445-6911(戸田事業所))に委託して開発を進めていた(開発費約2億円)が、このほど本開発を成功と認定した。
 光通信、光計測分野などでは、比較的「目」に安全で、かつ、石英系光ファイバ内において最も損失の小さな1.5μm付近の波長を発振する高出力レーザ装置が望まれていた。従来、波長1.5μm帯のレーザとしては4元化合物(InGaAsP)半導体レーザとエルビウム添加ガラスを媒質とした固体レーザがある。しかし、半導体レーザは出力が必ずしも十分でなく、また、エルビウム添加ガラスレーザはガラスの熱伝導性が良くないため昇温しやすく、どちらも高出力化が困難であった。
 本新技術は、エルビウム添加ガラスを媒質とした波長1.5μm帯の固体レーザにおいて、このエルビウム添加ガラスを、マイクロロッドもしくはマイクロチップの形状に加工することにより、放熱の促進ができ一定温度に制御可能となるため、安定して高出力が得られる小型固体レーザ装置の製作に関するものである。
 本新技術によるレーザ装置は、比較的「目」に安全で、光ファイバでの伝送に適した波長領域で高出力連続発振し、かつ、小型で取り扱いやすいなどの特徴を有することから、光ファイバ通信網などの回線検査用光源、光通信機器などの機能評価用光源、レーザレーダなどの光計測用光源などとして利用が期待される。

「マイクロロッドレーザ装置」(背景・内容・効果)

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