科学技術振興事業団 第62号

平成10年5月18日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「プログラム制御型腹膜透析システム」の開発に成功

 科学技術振興事業団(理事長 中村 守孝)は、千葉西総合病院 院長 吉山 直樹氏および元東京医科歯科大学医用器材研究所 教授 青木 秀希氏らの研究成果である「プログラム制御型腹膜透析システム」を当事業団の委託開発課題の平成5年度課題として平成5年11月から平成9年11月にかけて日機装株式会社(社長 音 孝、本社 東京都渋谷区恵比寿三丁目43番2号、資本金61億円、電話 03-3443-3711)、株式会社アドバンス(社長 浦壁 伸周、本社 東京都中央区日本橋小舟町5番7号、資本金17.2億円、電話 03-3667-1551)に委託して開発を進めていた(開発費約63百万円)が、このほど本開発を成功と認定した。
 慢性腎不全患者の治療は、通常、透析療法によって行われており、血液透析と腹膜透析に大別される。血液透析は血液を体外に導いて、合成膜等で作られた透析膜を用いて透析を行う方法であり、我が国では広く普及している。一方、腹膜透析は、透析膜の代わりに患者自身の腹膜を用いる透析法であるが、透析液交換などの操作が煩雑であったり、腹膜炎など感染症の恐れがあること等から、我が国で使用している患者は全体の5%程度に留まっている。
 本新技術はプログラム制御型の透析装置を用い、患者の状態や生活リズムにあわせて透析液の注入・排出の量や回数などを制御するとともに、腹壁貫通部分は生体適合性のよいハイドロキシアパタイト製の経皮端子を備えたカテーテルとすることにより、腹膜炎などの感染症の可能性を最小限にとどめた腹膜透析システムに関するもので、慢性腎不全患者の腹膜透析治療に広く利用が期待される。

プログラム制御型腹膜透析システム(背景・内容・効果)

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This page updated on June 19, 1998

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