科学技術振興事業団 第58号

平成10年3月5日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「LDアレイパワーレーザ」を委託開発課題に選定ならびに開発企業を選定

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、大阪大学レーザ核融合研究センター助教授 實野孝久氏、大阪大学工学部電子情報エネルギー工学専攻教授 中井貞雄氏の研究成果である「LDアレイパワーレーザ」を委託開発課題として選定するとともに開発企業を選定した。
 パワーレーザはエネルギー密度が非常に高いことや、加工条件に対する制約が少ないなどの利点から、材料の切断や除去、接合、アニール等の加工分野やレーザ蒸着やレーザアシストデポジション等の材料作製に利用されている。これまでは、出力が数kW〜数十kW級のCO2レーザや数百W級のYAGレーザが利用されている。しかしながらCO2レーザはエネルギー変換効率が20%以下、YAGレーザはエネルギー変換効率が現状で10%以下と低く、発熱が大きく冷却が必要になる、加工コストが高い等の難点を有している。また、CO2レーザは装置重量が大きいもので数トンになり簡便には扱えないものである。このため、高効率かつ小型のパワーレーザの開発が望まれている。
 本新技術は、エネルギー変換効率の高い半導体レーザ(LD)を積層したもの(アレイ)の前面に微小なレンズのアレイを形成し、各LDの出力を平行光にしたものをさらにレンズで集光することにより、高い出力光を得ることが可能なパワーレーザに関するものである。本技術により、LDのビームを直接利用する高エネルギー変換効率、小型、高出力のパワーレーザが得られ、レーザを用いた材料創製技術やレーザ加工等への利用が期待される。
 本新技術の開発は、浜松ホトニクス株式会社(代表取締役社長 晝馬輝夫、本社 静岡県浜松市砂山町325番地の6、資本金86.7億円、電話053-452-2141)に委託する予定で、開発期間は5年、委託開発費は約7億円の予定である。今後、科学技術庁長官の認可を受けた後、新技術の開発を実施する。

LDアレイパワーレーザ(背景・内容・効果)

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 TEL:048-226-5606 FAX:048-226-5646


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