科学技術振興事業団報 第54号

平成10年3月5日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「センサー集積型携帯用血糖測定器」を委託開発課題に選定ならびに開発企業を選定

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、東京大学先端科学技術研究センター 教授 軽部征夫氏らの研究成果である「センサー集積型携帯用血糖測定器」を委託開発課題として選定するとともに開発企業を選定した。
 携帯用血糖測定器は、糖尿病患者が血糖の自己管理の指標として、血糖値を患者自身が簡便に測定するための医療機器であり、医療機関においても、簡易血糖測定器として用いられている。現在、国内において最も普及しているのは、血糖(グルコース)をセンサーで計測するグルコースセンサー法と呼ばれる方式を用いたものである。しかしこの方法では、血液中のビタミンC等が測定値に影響する上、低血糖領域或いは高血糖領域での測定精度が十分でなく、より広い血糖領域で高精度の測定が可能な測定器が求められている。また、センサー部分は使い捨てであるが、その交換部分が小さいなど、操作性が悪い点も改善が求められている。
 本新技術では、グルコースセンサー法による携帯用血糖測定器において、センサーの電極電位を走査する方法により、従来より広い血糖領域で 、より高精度の血糖測定を可能とする。また、複数(10個程度)のセンサーを1枚のディスクに集積することで、1回毎のセンサー交換を簡便にするとともに、交換部分(センサー集積ディスク)を大きくすることで、ディスク交換時の操作性を良くし、患者の負担を軽減する。
 本新技術の開発は、株式会社ホーメット(代表取締役社長 師岡 泰輔、本社 東京都世田谷区三軒茶屋2-14-10、資本金 41百万円、電話03-5481-2777)及びグンゼ株式会社(代表取締役社長 長岡 正司、本社 京都府綾部市青野町膳所1番地、資本金 26,071百万円、電話06-348-1314)に委託する予定で、開発期間は2.5年、委託開発費は2.7億円の予定である。今後、科学技術庁長官の認可を受けた後、新技術の開発を実施する。

センサー集積型携帯用血糖測定器(背景・内容・効果)

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