科学技術振興事業団報 第44号

平成10年2月17日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「薬剤投与型高機能バルーンカテーテル」を委託開発課題に選定ならびに開発企業を選定

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、国立循環器病センター(総長 菊池晴彦)研究所生体工学部長松田武久氏らの研究成果である「薬剤投与型高機能バルーンカテーテル」を委託開発課題として選定するとともに開発企業を選定した。
 狭心症や心筋梗塞等の虚血性心疾患の治療法として、先端にバルーンがついたカテーテルを足の付け根から冠状動脈に挿入し、狭窄部でバルーンを拡張することにより、血管を押し広げる経皮的冠状動脈形成術(以下、PTCAと称す)が、開胸を要さずより侵襲の小さい内科的治療法として盛んに施行されている。しかし、PTCAの施行後に30〜40%の割合で血管内膜肥厚による病変部の再狭窄が生じ、心筋虚血が発生する。そのため、PTCA施行を繰り返す必要があり、治療効率の向上による手術の施行回数の削減が求められていた。
 本新技術は、薬剤を投与する通路と血流を確保する通路を備え、PTCAにおける狭窄部の拡張術とともに患部へ薬剤を投与する機能を併せ持つバルーンカテーテルに関するものである。本新技術によるバルーンカテーテルは、狭窄部の拡張術に加えて、バルーンの拡張時に血流を確保できるため、薬剤を患部により長い時間投与、滞留できる特徴を有し、PTCA施行後にみられる患部の再狭窄の抑制による治療効率の向上や、患者の負担が少ないPTCAの実現が期待される。
 本新技術の開発は、株式会社東海メディカルプロダクツ(代表取締役 筒井宣政、本社 愛知県春日井市田楽町更屋敷1485、資本金 5,000万円、電話 0568-81-7954)に委託する予定で、開発期間は3年、委託開発費は5億円の予定である。今後、科学技術庁長官の認可を受けた後、新技術の開発を実施する。

薬剤投与型高機能バルーンカテーテル(背景・内容・効果)

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