(資料4)

新規採択研究代表者・個人研究者および研究課題概要


○チーム型研究(CRESTタイプ)
戦略目標 「個人の遺伝情報に基づく副作用のないテーラーメイド医療実現のためのゲノム情報活用基盤技術の確立」
研究領域 「テーラーメイド医療を目指したゲノム情報活用基盤技術」

氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
有波 忠雄 筑波大学 基礎医学系 教授 大規模共同研究による統合失調症遺伝子の探索 統合失調症は、発症に遺伝的要因が強く関わっており、発症においては、複数の遺伝子の存在や民族差が有ることが推測されています。本研究では、日本における統合失調症の分子遺伝学的研究を集約して、大規模な連鎖不平衡/関連解析を行い、死後脳や髄液での遺伝子発現、遺伝子産物の解析により、日本人における統合失調症の関連遺伝子を同定し、その病態を解明することを目標とします。これらを明らかにし、診断ばかりでなく、薬剤による治療反応性、副作用予測などテーラーメイド医療を実現するためのゲノム情報を明らかにすることを目指します。
井ノ上 逸朗 東京大学 医科学研究所ゲノム情報応用診断 客員助教授 sub-common diseaseの感受性遺伝子同定と個人型易罹患性診断への応用 疾患感受性、薬剤感受性に関与するSNPは個人差医療の重要な鍵を握るとされますが、全ゲノムに存在するSNPすべてのタイピングは現実的ではありません。本研究では、比較的遺伝背景が強く、ある程度の頻度を有するsub-common disease(脳動脈瘤、後縦靱帯骨化症、家族性甲状腺癌)をモデル疾患とし、疾患感受性遺伝子を同定して、精度の高い易罹患性推定モデルを構築します。SNPデータ、生活習慣、臨床検査データを組み合わせ、患者が自分の健康についてモニターできる「オーダーメイド健康管理システム」を構築して、疾病の予防と無駄の少ない効率的な医療の実現に貢献することを目指します。
寺前 紀夫 東北大学 大学院理学研究科 教授 生体分子の高次構造形成に基づく遺伝子診断法 SNPをマーカーとして利用する簡便且つ迅速な遺伝子診断法の開発は、ポストゲノム時代の重要なテーマです。これまで、蛍光検出型DNAアレイセンサーが有望視され開発されてきましたが、DNAの蛍光ラベル化という化学修飾操作が必要であることが問題でした。そこで、本研究では、蛍光ラベル化を必要としない一塩基多型の蛍光検出法の構築を目指します。この方法ではSNPの検出のみならず、DNA損傷部位の検出にも応用可能であるため、ゲノム情報活用基盤技術として、テーラーメイド医療に大きく貢献することが期待されます。
松田 文彦 京都大学 大学院医学研究科ゲノム疫学講座 教授 日仏共同体制による人種間ゲノム多型の比較解析 標準的ヒト多型情報のデータベースづくりは世界規模で進んでいますが、疾患別ヒト多型情報の解析は始まったばかりです。本研究では、白人と日本人でSNPを探索し比較することで、人種特異的なSNPと疾患特異的なSNPを同定し、人種的偏差を加味した疾患別SNPデータベースを構築します。さらに、最先端のバイオインフォマティックスを用い、SNPと臨床情報を統合したデータベース統計解析を行い、SNPに基づく遺伝学が治療に直結した次世代の臨床遺伝学として有効であることを実証します。

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This page updated on September 18, 2003

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