(資料4)

新規採択研究代表者・個人研究者および研究課題概要


○個人型研究(さきがけタイプ)
研究領域 「ナノと物性」

氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
磯部 寛之 東京大学 大学院理学系研究科 助手 自己組織化ナノ有機分子による機能性集合体の構築 疎水性と親水性、この相反する性質を併せ持つことで両親媒性分子は、自己組織化能を獲得し、分子集合体を形成します。本研究では、フラーレンの高い凝集力、疎水性、そして剛直な骨格という特異性に着目し、これを基に新しい疎水性構造をもつ両親媒性分子を創りだします。両親媒性フラーレンの水中での自己組織化により、新しい機能性分子集合体を構築します。遺伝子導入剤など、フラーレン分子集合体の高い安定性を利用した機能の発展が期待されます。
大谷 啓太 東北大学 電気通信研究所 助手 光・電波境界領域における高機能・低消費電力量子カスケードレーザーの開発 光・電波境界領域における高機能・低消費電力量子カスケードレーザーの開発
大友 明 東北大学 金属材料研究所 助手 酸化物量子井戸構造を用いた発光素子及び光非線形性素子の開発 半導体量子井戸構造は、半導体レーザーや高速光変調器などの光デバイス開発に革新をもたらしてきました。本研究は、大きな誘電性増強効果が期待される酸化物半導体量子閉込構造を創製し、励起子効果を利用した高効率発光素子および高速光非線形素子を開発することを目的とします。高誘電率井戸層と低誘電率障壁層からなる新しい量子井戸構造によって従来の光素子性能を凌駕するブレークスルーを目指します。
大野 雄高 名古屋大学 大学院工学研究科 助手 ピーポッドヘテロ接合量子効果デバイスの創製 フラーレンを内包したカーボンナノチューブ“ピーポッド”は内包するフラーレンの種類によりバンドギャップが異なります。これに着目し、一本のナノチューブにおいて内包フラーレン種を変調することにより、バンドギャップの異なるピーポッドのヘテロ接合を形成します。この方法を用いて量子井戸やトンネル障壁等の量子構造の作製・評価を行い、ナノチューブにおけるバンドエンジニアリングの可能性を明らかにします。さらに、共鳴トンネル素子などの機能性単分子素子の創製を目指します。
高村 禅 北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科 助教授 生体・溶液系ナノデバイス研究の為の微小流体チップ開発 生命現象を分子ナノマシンの集合として理解し、工業的に応用しようとする研究が盛んです。細胞一つ一つの違いを分子レベルで解析するために、微量な液体のハンドリングや、DNA、RNAを1分子漏らさず抽出する技術が必要とされています。本研究は、微細加工された流路や構造を用いて分子や液体を選択的に操作する微小流体デバイスシステムを開発し、生体・溶液系ナノデバイス研究に新手法を提供することを目的とします。
塚越 一仁 理化学研究所 低温物理研究室 研究員 1nmサイズ分子素子伝導物性およびその制御 単分子あるいは単原子レベルで制御されたナノ伝導物質を用いて、少数分子の組み合わせで創造される電子系での単量子(電子、スピン、励起子)の振る舞いを制御します。個々の分子特有の電子状態を電気伝導として引き出し制御します。この研究を発展させ電子素子応用の可能性を探求し、次世代電子素子の提案としてバイオ関連素子・超分子素子・集積素子に対して特徴ある機能を提案することを目標とします。
舟窪 浩 東京工業大学 大学院総合理工学研究科 助教授 2次元ナノレイヤー積層による新規誘電特性の発現-サイズ効果フリー高誘電体の創製- 高い比誘電率を持つことで高容量の誘電体物質として期待されている“ペロブスカイト構造誘電体”は、高容量化を目指して薄膜化すると、比誘電率が低下する“サイズ効果”という大きな問題を抱えていました。本研究では、この問題を克服する可能性を持つ“サイズフリー特性”高誘電体材料を初めて見出したことを発展させて、その特性の起源を明らかにします。さらにこの物質が有する酸化ビスマス層とペロブスカイト層の2次元ナノレイヤー構造に着目した新規積層体を作製することで、“サイズ効果フリー高誘電体”の創製を目指します。

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This page updated on September 18, 2003

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