氏名 |
所属機関 |
所属学部・学科など |
役職 |
研究課題名 |
有波 忠雄 |
筑波大学 |
基礎医学系 |
教授 |
大規模共同研究による統合失調症遺伝子の探索 |
井ノ上 逸朗 |
東京大学 |
医科学研究所ゲノム情報応用診断 |
客員助教授 |
sub-common diseaseの感受性遺伝子同定と個人型易罹患性診断への応用 |
寺前 紀夫 |
東北大学 |
大学院理学研究科 |
教授 |
生体分子の高次構造形成に基づく遺伝子診断法 |
松田 文彦 |
京都大学 |
大学院医学研究科ゲノム疫学講座 |
教授 |
日仏共同体制による人種間ゲノム多型の比較解析 |
総評 : 研究総括 笹月 健彦(国立国際医療センター研究所 所長)
20世紀が集団を対象としたマス医療であったのに対し、21世紀はゲノム情報に基づいて個人を対象としたテーラーメイド医療を実現すべき世紀である。これを可能とするためには、各疾病の発現に重要な役割を演ずる遺伝要因と環境要因の解明とそれらの相互作用による発症機構の解明、そしてその理解に立脚した創薬をはじめとする新しい治療および予防戦略の開発、さらにはこれらを含む種々の治療・予防戦略に対する効果発現と副作用発現の個人差の解明などが重要となる。また、これらを効率的に行うためには、ツールとなる高速かつ安価なゲノム情報解析システムの開発が必須である。
2002年度からスタートした本研究領域では、2003年度も上述の主旨にのっとり、創意工夫とチャレンジ精神に富み、且つ磐石の準備を整えた研究提案を公募したところ、大学・国公立研究機関・企業から多岐にわたる興味深い47件の研究提案が寄せられた。これらの提案は、6名の領域アドバイザーにお願いして書類選考を行い、特に優れた13件を選定して面接選考を行った。面接選考では、提案の独創性、実現性、具体化の方策、および3年後の研究状況のイメージ等のほか、研究開始にあたっての準備状況(患者臨床データとDNAの収集状況、これら資料収集のためのネットワークの構築状況、倫理審査の状況等)について質疑応答を行い、最終的に研究総括、領域アドバイザーの合議により採択課題を決定した。
採択した研究課題は、「大規模共同研究による統合失調症遺伝子の探索」、「sub-common diseaseの感受性遺伝子同定と個人型易罹患性診断への応用」、「生体分子の高次構造形成に基づく遺伝子診断法」、「日仏共同体制による人種間ゲノム多型の比較解析」の4件である。これらはいずれも世界的に見て非常に高いレベルの研究であり、テーラーメイド医療の実現に大きく貢献することが期待できる提案であった。本年度もこのほかに多くのオリジナリティーに富む興味ある提案があったが、採択できず残念であった。
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