氏名 |
所属機関 |
所属学部・学科など |
役職 |
研究課題名 |
磯部 寛之 |
東京大学 |
大学院理学系研究科 |
助手 |
自己組織化ナノ有機分子による機能性集合体の構築 |
大谷 啓太 |
東北大学 |
電気通信研究所 |
助手 |
光・電波境界領域における高機能・低消費電力量子カスケードレーザーの開発 |
大友 明 |
東北大学 |
金属材料研究所 |
助手 |
酸化物量子井戸構造を用いた発光素子及び光非線形性素子の開発 |
大野 雄高 |
名古屋大学 |
大学院工学研究科 |
助手 |
ピーポッドヘテロ接合量子効果デバイスの創製 |
高村 禅 |
北陸先端科学技術大学院大学 |
材料科学研究科 |
助教授 |
生体・溶液系ナノデバイス研究の為の微小流体チップ開発 |
塚越 一仁 |
理化学研究所 |
低温物理研究室 |
研究員 |
1nmサイズ分子素子伝導物性およびその制御 |
舟窪 浩 |
東京工業大学 |
大学院総合理工学研究科 |
助教授 |
2次元ナノレイヤー積層による新規誘電特性の発現-サイズ効果フリー高誘電体の創製- |
総評 : 研究総括 神谷武志(大学評価・学位授与機構 学位審査研究部 教授)
個人型研究助成プログラムの一つである「ナノと物性」は本年度が最終の第3回目の公募となったが、従来を大幅に上回る276件の応募があり、学際性の高いナノテクノロジーに対する関心の高さが証明される形となった。研究手法としても昨年、一昨年と同様に物理的、化学的、生物的なアプローチがあり、応用も情報、エネルギー、生命、計測と広く分布していた。領域アドバイザーとして従来から物理系、化学系、電子工学系の第一線の研究者に参加いただいているが、本年度からは特に生命系の応募者の増加に応えるべく、医用材料関連分野で第一人者の一人であられる東京大学片岡教授に参加いただくこととした。書類審査により有力な17提案を選択し、次いで面接選考により7件(ほかに補欠1件)を選択した。
本年度に採択された課題の中には将来の単電子デバイス、分子素子を狙った有機分子、カーボンナノチューブの研究や、より応用の展開が明確な超LSIに適する新規高誘電率材料、光技術の領域を広げる化合物半導体や酸化物の量子閉じ込め構造、生体計測に適するナノ流体チップ、医薬分野への展開の可能性を持つ両親媒性分子の自己組織化の研究が含まれ、当初に狙った基礎と応用を結びつけるブレークスルー的な視点を持つ研究提案を選ぶことができたと考えている。
採択に至らなかった提案にも極めて意欲的なものが多数あり、採択できる容量に限界があることに悔いが残った。本領域は今回で募集を終えることとなるが、今後同様なナノ領域での学際的な領域設定のもとに意欲的な萌芽研究を支援する方策を考えていただければ幸いである。
|