氏名 |
所属機関 |
所属学部・学科など |
役職 |
研究課題名 |
川野 聡恭 |
東北大学 |
大学院工学研究科 |
助教授 |
DNAナノデバイス創製におけるシミュレーション技術の確立 |
久保 百司 |
東北大学 |
大学院工学研究科 |
助教授 |
量子分子動力学法に基づく化学反応対応型連成現象シミュレータの開発 |
立川 仁典 |
横浜市立大学 |
大学院総合理学研究科 |
助教授 |
水素系量子シミュレーション技術の構築 |
渡邉 孝信 |
早稲田大学 |
大学院理工学研究科 |
客員講師 |
ダイナミックボンド型大規模分子動力学法の開発 |
総評 : 研究総括 土居 範久 (中央大学理工学部情報工学科 教授)
シミュレーション技術は、従来の理論・実験とは異なる新しい研究手法を実現し、科学技術のブレークスルー・国際競争力の強化に資する基盤技術として、その重要性が高まっています。しかし、さらなる技術の発展のためには、シミュレーションや可視化のための新しいアルゴリズムの開発、高機能・高性能でしかも信頼性や安全性の高いシステムの開発が必要とされます。
本研究領域は、計算機科学と計算科学の連携によるシミュレーション技術の革新と、信頼性や使いやすさを視野に入れた実用化の基盤を築くことを目標としています。
本年度はチーム型研究(CRESTタイプ)と個人型研究(さきがけタイプ)について募集を行い、個人型研究については40件の応募が寄せられました。これらの提案を7人の領域アドバイザーと共に書類選考を行い、特に内容が優れた9件を面接対象として選考しました。面接選考においては、研究のねらい、新規性、独創性、研究計画、主体性の他、特に、分野横断的な共通基盤に寄与する研究開発を含み、シミュレーション技術の革新と実用化基盤の構築に貢献が期待できる研究提案を重視し、4件を採択しました。
採択課題については、いずれも個人のアイデアを活かした提案であり、高いオリジナリティーを有しているといえます。マルチスケールシミュレーションや融合型プラットフォームといった分野横断的な研究が、シミュレーション技術の基礎基盤構築を担うことを強く期待します。3年間の研究期間では、実用化まで達成することは困難な場合もありますが、ナノテクノロジーやバイオテクノロジー分野への応用の可能性を大きく含んでいるため、将来的には実用化に結びつくような発展性のある成果を期待します。
今年度は昨年度と比較して倍率が高かったこともあり、優れた提案であっても残念ながら採択に至らなかったものもありましたが、研究提案をさらにブラッシュアップし、ぜひ来年度も挑戦してほしいと思います。
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