科学技術振興事業団報 第354号
平成15年9月12日
埼玉県川口市本町4−1−8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報室)
URL:http://www.jst.go.jp/

光触媒効果による多機能な食品品質保持剤の開発に成功


 科学技術振興事業団(理事長 沖村憲樹)は、独立行政法人 産業技術総合研究所 セラミックス研究部門 環境材料化学研究グループ長 垰田博史氏らの研究成果である「酸化チタンによる品質保持剤」を当事業団の委託開発事業の課題として、平成12年3月から平成15年3月にかけて丸勝産業株式会社(代表取締役社長 中澤宏、本社 千葉県船橋市湊町2-12-4、資本金 6,000万円、電話:(047)437-3411)に委託して開発を進めてまいりました(開発費約1億3千万円)が、このほど本開発を成功と認定いたしました。

(開発の背景)

 現在、食品の酸化を抑制し食品の品質を保つため鉄の酸化作用を利用した品質保持剤が使用されています。しかし、鉄系の品質保持剤は、電子レンジで加熱される食品では鉄が高周波加熱されるため使用できないことや、液体容器内での使用では鉄イオンが溶出するため使用できないなど用途上制限がありました。また、包装製品の検査工程で、金属探知器に反応し検査の障害になるといった課題もありました。

(開発の内容)

 本新技術は、酸化チタン粉末を水素・窒素混合ガスなどの還元ガス雰囲気中で熱処理して、結晶から一部の酸素を取り除くことで、酸素吸収能力をもたせたものです。 この酸化チタン粉末は、従来のように袋状容器等に封入するほか、包装フィルムに練り込む等の使用が可能であり、容器を透明にすることで光触媒効果も期待できます。

(開発の効果)

 本品質保持剤は、従来から使用されている酸化鉄系の脱酸素剤と同様の酸素吸収能力を持ち、さらに、酸化チタンの光触媒効果により、果物の過熟を促進するエチレンガスの分解や、カビ、細菌等の繁殖抑制などの新規な機能を持つため、各種の加工食品や生鮮食料品、液体状食品、果物などの酸化防止や鮮度保持のための品質保持剤として活用が期待されます。

本新技術の背景、内容、効果の詳細
図1 PTCAの仕組み
開発を終了した課題の評価


 (注)この発表についての問い合わせ先は以下の通りです。
科学技術振興事業団開発部 開発推進課 菊地 博道、永田 健一[電話(03) 5214-8995]
丸勝産業株式会社 代表取締役 中澤 宏[電話(047) 437-3411]

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