科学技術振興事業団報 第351号
平成15年8月27日
埼玉県川口市本町4−1−8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報室)
URL:http://www.jst.go.jp/

プレベンチャー事業で「患者にやさしい心臓手術用カテーテル」を開発

傷跡が小さく早期社会復帰を可能にする医療用具の開発・製造・販売を行う
大学発ベンチャー企業「エンドテック」設立


 科学技術振興事業団(理事長 沖村憲樹)では、平成11年度より大学等の研究成果をベンチャービジネスにつなげていくための起業化に向けた研究開発を行う研究成果最適移転事業 成果育成プログラムC(プレベンチャー:旧 新規事業志向型研究開発成果展開事業)を実施してきました。
 この度、プレベンチャー事業において平成12年度より開始しました研究開発課題「低侵襲心臓手術用カテーテル」の研究開発チーム(リーダー:粂野孝志、サブリーダー:四津良平(慶應義塾大学医学部 教授))のメンバーが出資して、ベンチャー企業 有限会社エンドテック(代表取締役:粂野孝志、本社:愛知県春日井市、資本金:300万円)を平成15年8月8日に設立しました。
 現在、心臓内部の手術で用いられる通常法は、二十数センチに渡って胸部を大きく切り開き、心臓を完全に露出させた上で、心臓付近の大動脈を鉗子で挟んで血流を遮断し、複数の器具を開胸創に留置して手術するものです。そのため、患者の苦痛や体力の消耗は激しく、完治するまでにかなりの時間を必要とし、さらには術後傷跡が目立つ等の様々な問題を抱えています。
 本チームは、これらの問題を解決するため、数センチの小切開創からでも大動脈内への挿入と血流遮断等を行うことのできるバルーンカテーテル医療用具の開発に成功しました。
 本品は、高耐久性バルーンと細くしなやかで適度な剛性のカテーテルにより、開胸創のわずかな隙間からでもバルーンを大動脈内へ挿入が可能、位置を固定し易いだけでなく血管内を傷つけない等の優れた点があることに加え、心筋保護液の注入等の多機能性も兼ね備えています。そのため、心臓手術の低侵襲化(患者の負担を少なくすること)を可能とする高機能カテーテルとして、医療分野での利用が期待されます。
 五センチほどの小さな切開創からの心臓手術では、入院日数が三〜七日間となり早期の社会復帰を可能とし、医療費の削減効果も期待されます。女性患者にとっては、術後の傷跡が目立たないことから美容的な観点においても満足度の高い手術となります。
 低侵襲心臓手術は、患者側からの要望が高く、医療技術の発展に伴ってその市場が拡大していくものと期待されます。当社は、医療の低侵襲化を推進するための研究開発に邁進し、医療の質の向上に貢献するとともに、循環器領域のディスポーザブル医療用具市場(約1900億円)において5年後に5億円の売上を目指します。

なお、本件についての問い合わせは、企業化開発事業本部 技術展開部 新規事業創出室
(電話03−5214−0016) 服部又は斎藤隆行までご連絡下さい。

企業概要
低侵襲心臓手術(MICS:Minimally Invasive Cardiac Surgery)とは?
低侵襲心臓手術用カテーテルを使用した手術



This page updated on August 27, 2003

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