(別紙3)
課題名生体置換型有機無機複合人工骨の製造技術
発明者 独立行政法人 物質・材料研究機構 生体材料研究センター長 田中順三
委託企業 ペンタックス株式会社 代表取締役社長 浦野 文男
本社 東京都板橋区前野町2-36-9
資本金 61億2909万円
開発期間4年間
開発費用約5.5億円

 本新技術は、骨類似の構造を持ち、自家骨に置換する人工骨の製造技術に関するものである。
 従来の人工骨は、骨形成促進が十分でなく、骨と置換せず体内に残るものがほとんどであるが、本人工骨は、骨に置換する特徴があるため、自家骨を代用できるものとして骨欠損部の修復に利用されることが期待される
 本新技術の背景、内容、効果の詳細は次の通りである。

(背景)
患者の身体的負担を軽減できる骨移植材料の必要性

 骨移植手術の約70%を占める自家骨移植は、回復は早いが、外科的侵襲により患者への負担が大きく、採取量、回数に制限がある。自家骨の一種である同種骨(他人から提供された骨)による移植も、感染リスク、ドナー不足等の問題が指摘されている。そのため、自家骨代用できる特性を持つ人工骨が望まれていた。

(内容)
コラーゲンを混合したリン酸水溶液と水酸化カルシウム水溶液を合成・加工し、骨形成を促進する人工骨を製造する

 本新技術は、コラーゲンを混合したリン酸水溶液と水酸化カルシウム水溶液を合成し、ナノレベルでコラーゲン繊維上に水酸アパタイトを配向させ、骨の構造に類似させた後、凍結乾燥、架橋等の加工を行い、スポンジ状の生体置換型人工骨を製造するものである。本人工骨は、骨の構造に近く、かつスポンジ状空間があることから、骨の新陳代謝の働きをする破骨細胞と骨芽細胞が進入、作用しやすい。よって、早期に自家骨に置換するので、人工骨と自家骨の間で強度差などが発生せず、自家骨の代用人工骨として使われる。

(効果)
自家骨移植に代わり骨欠損部修復に適用

 本新技術には次のような特徴がある。
(1) 人工骨の構造が、骨の構造に近い。
(2)骨形成を支援する機能があるので、早期に自家骨に置き換わる。
(3)後に吸収され自家骨に置き換わるので、強度差などが生まれにくく、自家骨移植の代用になる。

 従って、次のような用途が期待される。
(1)生体置換型人工骨
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This page updated on July 28, 2003

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