(別紙1)
課題名アミノ酸輸送蛋白抗体抗癌薬
発明者 杏林大学 医学部薬理学教室 教授 遠藤 仁
杏林大学 医学部薬理学教室 教授 金井 好克
委託企業 キリンビール株式会社 代表取締役社長  荒蒔康一郎
本社 東京都中央区新川2-10-1
資本金 1,020億円
開発期間7年間
開発費用約20億円

 本新技術は、ヒト抗体を用いることにより癌特異的に作用し、副作用が少なく安全性の高い医薬品に関するものである。
 本新技術によるアミノ酸輸送蛋白抗体抗癌薬は、治療前に患者の癌細胞の中性アミノ酸輸送蛋白(LAT1)発現程度を調べることによって抗体薬の有効性の推測が可能であるため、個々の患者の病態にあわせて治療を行うことが可能となる。
 本新技術の背景、内容、効果の詳細は次の通りである。

(背景)
より副作用の少ない抗癌薬の必要性

 従来の癌治療薬は、例えばDNA合成といった細胞が増殖するのに必要な基本的な機能を阻害することで癌細胞の増殖を抑える機構のため、正常細胞にも影響を与え、免疫力低下、嘔吐、脱毛等の副作用を回避することが困難であった。

(内容)
癌細胞の栄養経路を遮断し、患者自身の免疫反応で癌細胞を攻撃

 本新技術による抗体は、癌細胞膜上の中性アミノ酸輸送蛋白(LAT1)に特異的に結合するY字形蛋白質である。抗体がLAT1に結合することで、癌細胞の栄養素となる中性アミノ酸の輸送経路を阻害し癌細胞の増殖を抑制するとともに、抗原抗体反応によるシグナル伝達が起こり患者体内の免疫細胞を活性化し、免疫細胞による癌細胞への攻撃を誘発して癌の増大を抑えることができる。

(効果)
副作用が少なく安全性の高い癌治療薬

 本新技術には次のような特徴がある。
(1) 癌に特異的に発現する中性アミノ酸輸送蛋白(LAT1)を標的とするため、癌に特化して治療する。
(2)正常細胞に作用しないため、副作用が少ない。
(3)中性アミノ酸輸送蛋白(LAT1)は、全ての癌に共通して発現するので、幅広い癌への適用が可能である。

 従って、次のような用途が期待される。
(1)アミノ酸輸送蛋白抗体抗癌薬
戻る



This page updated on July 28, 2003

Copyright©2003 Japan Science and Technology Corporation.