本新技術の背景、内容、効果の詳細は次の通りです。

(背景)
低コストで、高品質のスパイラルベベルギアが望まれていた。

 通常のストレートベベルギアは、既に鍛造法により製造されてきているが、スパイラルベベルギアは、歯面がカーブしていることから精度の高い金型の製作が困難である。また、歯面がカーブしていることにより、金型を素材に押しつける従来の鍛造法では、歯面に局部的に負荷がかかり破損しやすいため成形できなかった。このため、今までは、専用歯切り盤を用いた切削法で製作されていたが、切削法は歩留まりが悪く、また切削に時間を要し、高精度化にも限界があることから、高品質のスパイラルベベルギアを農業機械や電動工具等に広く利用できるよう、低コストで製造する技術が望まれていた。

(内容)
精度の高い放電加工用電極の作製、粉末ハイス鋼による金型製作および閉塞鍛造の採用と鍛造法の確立により実現した。

 本新技術は、閉塞鍛造によりスパイラルベベルギアを製造するものである。  本新技術では、スパイラルベベルギアの歯面の3次元形状を数値化し、このデータより作成された加工用NCデータを基に精度の高い放電加工用電極を製作し、金型材質として靱性に優れた粉末ハイス鋼の選択により、歯面精度が高く寿命の長い金型を製作した。
歯車の製造では閉塞鍛造を採用し、高さ寸法の精度は、連続鍛造時に発生する歯車の高さ寸法変化をスライドアジャスターにより金型位置を微調整できるようにして押さえた。これらにより、高品質のスパイラルベベルギアを生産性良く低コストで製造することを可能とした。

(効果)
刈り払い機、電動工具等に低コストで使用可能

 本新技術によるスパイラルベベルギアは、精度が高く寿命に優れた金型を用いて閉塞鍛造で生産されるため
(1) 歯面精度の高いギアが製作可能。
(2) 金型寿命が長く、生産性に優れているため低コスト化が可能。
などの特徴を持つため、刈り払い機等の農業機械および電動工具等の部品として広く使用されることが期待できる。

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This page updated on May 8, 2003

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