科学技術振興事業団報 第309号
平成15年4月10日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報室)
URL http://www.jst.go.jp/

プレベンチャー事業で「間葉系幹細胞の移植技術」を開発

間葉系幹細胞を用いた再生医療に関わる、細胞・医薬品・材料・機器等の
開発・製造・販売を行う大学発ベンチャー企業設立

 科学技術振興事業団(理事長 沖村憲樹)では、平成11年度より大学等の研究成果をベンチャービジネスにつなげていくための起業化に向けた研究開発を行う新規事業志向型研究開発成果展開事業(プレベンチャー事業)を実施してきました。
 この度、プレベンチャー事業において平成12年度より開始しました研究開発課題「骨・軟骨組織の再生療法」の研究開発チーム(リーダー:加藤幸夫(広島大学大学院医歯薬学総合研究科 教授)、サブリーダー:辻紘一郎)のメンバーが出資して、ベンチャー企業 株式会社ツーセル(社長:辻紘一郎、本社:広島県広島市、資本金:1,000万円)を平成15年4月10日に設立します。
 現在、歯周病や関節症、および骨折等によって骨・軟骨を欠損した場合、主に人工関節による治療がとられていますが、耐用年数が短く費用も高い等が問題とされています。最近、欧米で先行している、健康な軟骨片を採取して軟骨細胞を増殖・移植する自家軟骨細胞移植が注目されていますが、現行法は健康軟骨を大量に採取するため、採取部分の痛みが大きく残る等の問題があり、患者が必ずしも満足できるものではありません。
 本チームは、患者から採取した骨髄細胞等を培養・増殖、軟骨細胞あるいは骨芽細胞に分化させ、歯槽骨、関節症等の骨・軟骨の再建材料とする技術を開発しました(現在、臨床試験中)。
 本技術は、従来法と異なり、細胞の分化能を高く維持させたまま大量に増殖させることが可能であり、骨髄や口蓋等から少量の間葉系幹細胞を採取するだけで移植に必要な骨・軟骨を得ることができます。今後、高齢化に伴い、増加が予想される骨・軟骨欠損および歯周病等の治療への利用が期待されます。
 間葉系幹細胞を用いた再生医療の国内市場規模は、2010年に3800億円に達すると予想されています(出典:平成14年4月特許庁)。当社は、間葉系幹細胞の自動培養装置の販売を行うと共に、5000万人累積患者のいる変形性関節症、歯周病、骨補填の他、骨粗鬆症、心筋梗塞等に適応拡大し、移植法の開発実施権を領域別に協力会社に供与するライセンスビジネスを展開することにより、平成20年20億/年の売上を目指します。

なお、本件についての問い合わせは、企業化開発事業本部 技術展開部 新規事業創出室
(電話03−5214−0016) 服部又は金子までご連絡下さい。

新規事業志向型研究開発成果展開事業は、平成14年度より研究成果最適移転事業 成果育成プログラムC(略称;プレベンチャー)に継承されております。

企業概要
開発した技術の概要


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