資料
~面領域の測定による多チャンネル、液体挙動の測定が可能~
二次元イメージングSPR装置

 表面プラズモン共鳴(SPR)現象は高感度に試料の屈折率変化を測定する事の出来る手法として、生化学、医学分野の測定に広く利用されています。今回完成した2次元SPRイメージング装置2D-SPR03Aは、科学技術振興事業団の支援を受け、NTT、KAST、慶應大学、NTT-ATが共同で開発しました。本装置によりSPR測定を面領域で測定する事が出来るようになり、SPR法の新たなアプリケーション開発や用途開拓が飛躍的に向上します。

<二次元SPRイメージング装置の特徴>
SPR装置は、元々極微量の試料で、試料に標識をつけることなく(ノンラベルで)、リアルタイムに、直接、測定が可能な優れたセンサーです。今回開発した装置はさらに以下2点の非常に画期的な特徴をもち、生化学、医療、環境等幅広い分野への利用が考えられます。

●マルチチャンネル測定:
10×10=100個の測定用ピットをもつマルチチャンネル測定用チップを開発しました。これは金属薄膜上にフォトリソグラフィー技術でレジストをパターニグし、金が露出した部分(センシング部分)とレジストで覆われた部分からなる微小チップです。
例1:100種類の抗原をチップ上に配置し患者の血液と反応せることで100種類の抗原に対するアレルギー反応(生化学反応)を一度に測定することが可能となります。
例2:右記のようにビット上に各種反応物質を配置するようチップをデザインし、グルコースを流入することで、酵素反応の経時的な測定をすることが可能となります。

●流体測定:
微小な流路をデザインしたチップ(フローセル)を用いチップ上を流れる液体の流体測定が可能となります。経時的な変化の観察や、チップ上で2種類の液体を混ぜ化学反応を経時的に観察することも可能となります。

以上のように、この二次元SPRセンサーは、リアルタイムに、多項目、多種類のサンプルを、直接、ノンラベルで、しかも簡単な操作で測定が可能な優れたセンサーで、環境ホルモンなど未知の原因物質をつきとめるためのバイオセンサー、多項目の検査を同時に行え、患者の負担が軽くなる検査時間を大幅に短縮できる医療検査用センサーなどへの応用が期待できます。
マルチチャンネル測定用チップと測定結果



流体測定用フローセルと測定結果
この装置は3月18日から開催される日本化学会展示会にてご覧いただけます。
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This page updated on March 18, 2003

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