資料
~SPR,屈折率、吸収スペクトル、蛍光、電気化学反応測定が可能~
光導波路型SPR装置

 表面プラズモン共鳴(SPR)現象は高感度に試料の屈折率変化を測定する事の出来る手法として、生化学、医学分野の測定に広く利用されています。今回完成した光導波路型SPR装置S-SPR-6000、科学技術振興事業団の支援を受け、システムインスツルメンツ株式会社、KAST,慶応大学、NTT-ATが共同で開発しました。本装置は従来の光学特性の測定に加えSPR測定が一台の装置で可能となり、従来バイオテクノロジーが主な利用分野であったSPR測定に新たな応用分野を開拓するものです。

<光導波路型SPR装置の特徴>
光導波路型の吸収スペクトル測定は、導波路界面に展開した微量サンプルをエバネッセント波で高感度に測定することができます。一方、プラズモン測定の場合は、導波路界面に金属薄膜をつけることにより金属薄膜内の自由電子をエバネッセント波が励起しプラズモン共鳴を起こします。本装置は光吸収スペクトルと屈折率の両測定方法の特性を併せもち、環境等幅広い分野への利用が考えられます。

●ポイント1:
導波路界面に電極を配置し、電極近傍の物質の酸化、還元の様子を電流値ではなく、屈折率(プラズモン共鳴)、光吸収(吸収スペクトル測定)の光学的手法により高感度測定することができます。
●ポイント2:
光導波路の光学系は光ファイバと同じ理由でプローブ光とその他の光を分離ポンプ光、励起光などの別の光エネルギ-を加えながらの光触媒などの機能性表面、界面のプラズモン共鳴、吸収スペクトル測定が可能です。
試料室内部の光学測定部とモニター
図1。Cyt.C酸化還元挙動の吸収スペクトル
図2。共鳴角を55度に設定した場合のショ糖のSPRスペクトル

以上のようにこの光導波路型SPRセンサ装置S-SPR-6000は高感度光状態分析のツールとしてバイオ、医療、光エレクトロニクス、金属ナノ材料、機能性物質の開発、検査、研究への応用が期待できます。
この装置は3月18日から開催される日本化学会展示会にてご覧いただけます。
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This page updated on March 18, 2003

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