採用者の研究概要


「形とはたらき」研究領域

◆色受容ユニットの配列パターンと視覚機能
蟻川 謙太郎(アリカワ ケンタロウ) 横浜市立大学 理学部機能科学科 助教授
網膜内の色受容細胞配列に見られる規則性と乱雑さが、ものを見るはたらきとそれぞれどのような関係にあるのか、チョウ類の視覚系を使って、分子生物学、解剖学、神経生理学、生理光学、および行動学の方法を駆使して研究します。
◆軟体動物の特異な遺伝現象に関する基礎的研究
上島 励(ウエシマ レイ) 東京大学 大学院理学系研究科生物科学専攻 講師
軟体動物では、他の生物では知られていないような特異な遺伝現象を示すものがあります。本研究では、軟体動物にのみ見られる特異な遺伝現象(一部の軟体動物における染色体やミトコンドリアゲノム構造に著しい可変性や雌雄両性特異的ミトコンドリアDNA)に注目し、その分子遺伝学的構造や生物学的意義を解明するための基礎的研究を行います。
◆絶滅した生物の生態をコンピューターを用いて再現する
宇佐見 義之(ウサミ ヨシユキ) 神奈川大学 工学部物理学教室 助手
絶滅した生物の生態を進化・生態学理論に基づきコンピューターの中に再現することを目指します。化石情報をもとにコンピューター内に絶滅した生物を再構成し、力学計算のもとに、これらの生物を仮想空間中に蘇らせることが研究のねらいです。
◆Moleculicsを実現する空間の形状制御
大久保 達也(オオクボ タツヤ) 東京大学 大学院工学系研究科化学システム工学専攻 講師
分子の一つ一つを操作し、自在に分子や反応を集積させる手法の開発を検討します。分子を操作するためには、分子サイズの「場」の創出が不可欠になります。そこで無機結晶中の分子サイズの空間とそのネットワークの「形」の制御及びその機能化に主眼をおいて研究を進め、新しい学問分野"Moleculics"の開拓を目指します。
◆機能集積型高次構造を有する人工レセプター
久保 由治(クボ ユウジ) 埼玉大学 工学部応用化学科 助教授
近年の有機合成化学の進歩は巧みにデザインされた三次元構造体の構築を可能にしました。本研究では、天然のレセプターに迫る”認識空間”を合成分子を通して構成し、そこへ多彩な化学的・物理的機能を連携させることによって、新しい機能集積型分子システムの達成を目指します。
◆骨形成過程に関わる遺伝子群の解明
小守 壽文(コモリ トシヒサ) 大阪大学 医学部第三内科 助手
骨形成過程を明らかにするのに最も重要な、骨芽細胞の分化は全く未知であったが、これを支配する遺伝子の一つがCbfa1であることが、そのノックアウトマウスの解析により明らかとなった。骨形成過程の第一歩が明らかとなったわけであるが、最終的に骨が形成されるまでには、さらに多くのステップが必要である。この研究では、Cbfa1ノックアウトマウスを用いることにより、Cbfa1のターゲット遺伝子を次々に明らかにしていき、骨形成過程に関わる遺伝子群の全容解明を目指す。
◆形の作り直しー再生現象の分子生物学的解析ー
西川(清水) 慶子(ニシカワ(シミズ) ケイコ) 神奈川科学技術アカデミー 生体シグナル伝達プロジェクト 非常勤研究員
生物の形作りの過程は、通常、複雑度をます方向へと進みます。しかし、これには例外があります。それは、一度作った形を再び作り直すこと、「再生」です。本研究は、優れた再生能力を持つ有尾両生類をモデル動物とし、再生現象のなかでも鍵となる脱分化のメカニズムを分子レベルで解明することを目指します。
◆アサガオ(Ipomoeanil)のモデル植物化に関する研究
仁田坂 英二(ニタサカ エイジ) 九州大学 理学部生物学教室細胞遺伝学講座 助手
日本独自の園芸植物であるアサガオには江戸時代から保存されている興味深い突然変異体が多数存在し、モデル植物としてもいろいろと優れた点があります。そのため突然変異系統の整理、維持、分子マーカーを含む遺伝学的地図の作製、トランスポゾンタギング系の開発、形質転換法の確立を通して葉や花の形態形成や種分化のしくみの解明を目指します。
◆微小管を介した情報伝達の一分子イメージング
武藤 悦子(ムトウ エツコ) 科学技術振興事業団 柳田生体プロジェクト 研究員
一分子顕微鏡および蛍光分光の技術を用いることによって、微小管が構造変化していく過程をリアルタイムで映像化する実験系を確立し、細胞内での情報伝達に微小管の構造変化がどのように関わっているか解明します。
◆ランダム配列からの機能性蛋白質の創出
四方 哲也(ヨモ テツヤ) 大阪大学 大学院応用生物工学専攻 助手
100アミノ酸程度のランダム配列から機能のある蛋白質を進化的手法で創り出します。この人工分子進化のプロセスを解析することによって、蛋白質がほぼ単一の3次構造をとることの起源を探ります。

「状態と変革」研究領域

◆有機・無機複合ナノコンポジットの動的な磁気的性質
阿波賀 邦夫(アワガ クニオ) 東京大学 大学院総合文化研究科広域科学専攻 助教授
金属クラスター錯体や有機・無機層状物質などの有機・無機複合ナノコンポジットを対象に、有機物の柔軟性と無機物の機能性を組み合わせることにより、動的な磁気特性をもつ分子システムを構築します。単分子メモリーの創成や、光や熱、圧力といった外場に敏感に応答する磁気特性の発現が目標です。
◆電子・格子・光子結合系での非平衡相転移の研究
小川 哲生(オガワ テツオ) 東北大学 大学院理学研究科物理学専攻 助教授
本研究では、光照射・加熱などの局所的刺激によって物質系全体の結晶構造・電子構造・磁気秩序等が劇的に変化する非平衡(動的)相転移現象の機構と時空間量子ダイナミクスとを微視的・現象論的両側面から理論的に解明します。特に、多重安定系の光誘起型非平衡相転移現象を中心に、(a)光照射によって物質中に短距離秩序が形成される核生成初期過程の理解、(b)局所的微視的秩序が結晶全体に拡がった大局的巨視的秩序に時間的・空間的に発展していく動態の解明、(c)非平衡相転移過程での協同発光現象の予測・解析から物質系の揺らぎと光子場の量子揺らぎとの相互相関の理解までを目指します。非平衡相転移をなしうる物質の設計指針や物質の存在様式の人為的操作法についての基本原理も探ります。
◆分子配列の精密制御による分子性伝導体の研究
鹿野田 一司(カノダ カズシ) 東京大学 大学院工学系研究科物理工学専攻 助教授
有機分子のπ電子から構成される分子性伝導体は、金属物質、超伝導物質、絶縁体物質等の多様な状態をとることが知られています。しかも、絶縁体一つをとっても、モット絶縁相、密度波絶縁相、ウィグナー結晶相といった多彩な電荷/スピン秩序状態があります。この研究では、鍵となる物質に的を絞り、その物質を構成する分子を類似な置換基で修飾したり同位元素置換したり、あるいは圧力を印加したりすることで、π電子の舞台となる分子の配列構造を核磁気共鳴等の物理的手法を用いて調べることにより、様々な電子相を決めるメカニズムを明らかにすることを目指します。
◆分子内プロトン移動過程における分子振動の選択的励起の効果
柴田 穣(シバタ ユタカ) (財)レーザー技術総合研究所 第五研究部 研究員
時間分解過渡的ホールバーニングという手法を、プロトン移動反応のダイナミクスの観測に応用します。さらに、分子内振動の振動数に共鳴したレーザー光を照射してその振動モードを選択的に励起し、プロトン移動反応に対するその効果を観測することを考えています。二つのほぼ縮退した状態間のプロトン移動は凝縮系全般で普遍的に見られる過程で、蛋白質分子などの構造の柔軟さの起源の一つにも考えられています。この過程では、量子力学的なプロトンのトンネリングと古典的な重い原子核の運動とが同時に起こり、かつ両者が絡み合っているため、その機構はいまだ完全には理解されていません。本研究では、この機構の解明を目指します。
◆レーザー励起分子場による有機磁性体のスピン整列制御
手木 芳男(テキ ヨシオ) 大阪市立大学 理学部物質科学科 助教授
本研究では、電荷移動部位とスピン源としての安定有機ラジカルを一分子中(電荷移動錯体の場合は単一ユニット中)に集積した系を作製し、レーザー光でそれらの不対電子スピンを有する有機電荷移動結晶系を光励起し、電荷移動励起子の移動とそれに伴う光誘起電子移動という励起分子場を利用したスピン整列を研究します。これにより、多電子相関の関与する有機磁性系の光物質と磁性との相関を解明し、光励起分子場を利用した有機磁性体のスピン制御を目指します。
◆強相関電子系による熱電変換材料の設計と合成
寺崎 一郎(テラサキ イチロウ) 早稲田大学 理工学部応用物理学科 助教授
強相関電子系では、バンド理論に基づく一電子描像が破綻しているため、バンド理論の予測値を越える機能性材料が合成できる可能性があります。また、わずかな元素置換によって、系の電子状態が劇的に変革されることも強相関電子系の特徴です。熱電変換材料は、固体の熱起電力を通じて熱(温度差)を電気に変換する材料であり、高効率の材料はエネルギー・環境問題の一つの解決策となり得ます。本研究では、強相関電子系の中で熱起電力が大きく抵抗率が低い物質を探索・合成し、その物性の解明を目指すとともに、従来の変換効率を越える材料の設計を試みます。
◆VーX族磁性半導体超構造の光誘起磁性
宗片 比呂夫(ムネカタ ヒロオ) 東京工業大学 工学部・像情報工学研究施設 助教授
今までにない新しい半導体材料の極めて特異な性質を解明し、光による磁性の制御に必要な基礎的知見を得ることを目指します。そして半導体と磁性体の両研究分野で新しい展開をはかることを目的とします。
◆有機金属系電荷移動錯体における電子相・物質相転換
持田 智行(モチダ トモユキ) 東邦大学 理学部化学科 講師
電子構造的・反応化学的に多彩な特色を有する有機金属化合物を用い、機能性電荷移動錯体を創製する試みを行います。特徴ある電子物性や、外場による物性転換能・物質転換能を示す有機金属集合体の構築を目指します。
◆二重交換強磁性体における光励起磁性制御
守友 浩(モリトモ ユタカ) 名古屋大学 理工科学総合研究センター 助教授
本研究では、二重交換系マンガン酸化物等を対象にして、光励起された伝導担体を媒介にした光によるスピン系の制御の可能性を探求します。これらの化合物では、元素置換により導入された伝導担体が強磁性相互作用を媒介しています(二重交換相互作用)。そこで、強いパルス光照射により系に伝導担体を注入し、常磁性スイッチ等の磁性の制御を目指します。
◆多様な電子相と相転移を有する低次元無機・有機ハイブリッド化合物
山下 正廣(ヤマシタ マサヒロ) 名古屋大学 情報文化学部自然情報学科 助教授
低次元無機・有機ハイブリッド化合物は無機と有機の両方の特徴を兼ね備えて持つことから、それらをうまく組み合わせることにより従来の無機化合物や有機化合物を越える電子相や相転移が期待されます。本研究では擬一次元鎖ハロゲン架橋金属錯体とハルデンギャップ系化合物を中心的に取り扱います。これらの化合物においてCDW-SDW転移、金属−スピンパイエルス転移などの珍しい転移とそれらのダイナミクスについて調べます。

「素過程と連携」研究領域

◆神経突起のパターン形成におけるシグナリング機構
上村 匡(ウエムラ タダシ) 京都大学 大学院理学研究科生物科学専攻 助手
ニューロンの細胞体から伸びる軸索と樹状突起は、特徴的な空間パターンを形成する。このパターニングのメカニズムを明らかにするために、カドヘリンスーパーファミリーに属する新しい7回膜貫通型レセプターに注目し、機能解析を行います。また、軸索と樹状突起のパターン決定に関与する遺伝子を探索します。
◆細胞の形態形成を決定する分子機構の研究
大矢 禎一(オオヤ ヨシカズ) 東京大学 大学院理学系研究科生物科学専攻 助教授
細胞の形態は、細胞骨格の空間的配置に加えて、菌類や植物では細胞壁の合成パターンによって決定されています。出芽酵母の低分子量GTPaseであるRho1pは、細胞壁の主要な構成成分である1,3-ベータ-グルカンを合成する酵素の制御サブユニットとして働き、しかも他の二つのターゲット蛋白質の調節を介してアクチン繊維の動態制御に関与しています。また、カルシウム結合蛋白質カルモデュリンは細胞の形態形成の様々なステップに関与しています。そこで本研究では、カルモデュリンやRho1pなどの多機能分子スイッチによる細胞形態の制御機構と、多機能分子スイッチへのシグナル伝達機構の観点から細胞の形態形成という複雑な生命現象を解明することを目指します。
◆線虫の発生におけるプログラム細胞死の制御機構
杉本 亜砂子(スギモト アサコ) 東京大学 大学院理学系研究科生物化学専攻 助手
多細胞生物では、発生のプログラムに従い一定のパターンで細胞死が起きます。個々の細胞レベルの解析が可能な線虫Caenorhabditiselegansを用いて、細胞死にかかわる遺伝子群を同定することにより、発生における細胞の生死がどのように制御されているかを明らかにします。
◆脊椎動物の新しい神経系形態形成遺伝子の同定
清木 誠(セイキ マコト) フライブルグ大学 生物学研究所発生生物学部門 客員研究員
単純であるがヒト脳の基本構造を持つゼブラフィッシュでは、遺伝子を1つ1つランダムに壊すことにより、体の形作りにさまざまな異常を持つ変異体を作り出すことができる。100万余りの遺伝子を全てカバーする数の変異体をスクリーニングし、脳の構築に異常のある変異体を系統的に見つけ出し、原因となった遺伝子を突き止めることにより、脊椎動物の脳を形作るのに重要な働きをする新しい遺伝子群を同定します。
◆組織修復と器官形成を制御する新しい細胞内分子機構
高橋 克仁(タカハシ カツヒコ) 大阪府立成人病センター 研究所第5部 主任研究員
未分化間葉系細胞の増殖と分化を制御するメカニズムを、私たちが平滑筋細胞で発見したカルポニン遺伝子を切り口にして解明します。この遺伝子を欠失させると、創傷治癒や骨、腸、肝臓など器官の成長と再生が促進されます。このしくみを利用すれば、体外でハイブリッド人工臓器をつくることが可能になるかもしれません。
◆Tリンパ球の分化と選択を決定づける細胞内信号
高浜 洋介(タカハマ ヨウスケ) 筑波大学 基礎医学系免疫学教室 講師
免疫応答の司令塔として生体防御の中心的役割を担うTリンパ球は胸腺にて分化し、胸腺内では生体にとって有益なTリンパ球のみが選択されて成熟を許されます。分化途上のTリンパ球への新しい遺伝子導入法と可視的な器官培養法の開発をもとに、細胞の運命決定の鍵を握る信号伝達経路の解明を目指します。
◆mRNAを運ぶしくみ:制御ネットワークと核の動的機能構造
谷 時雄(タニ トキオ) 九州大学 理学部生物学科生物科学専攻 助教授
真核生物の遺伝子が発現する際には、核で合成されたmRNAを細胞質へと輸送する過程が必要不可欠です。本研究ではmRNAの核・細胞質間輸送に関わる核の機能的構造の解明、およびmRNAの核外輸送と細胞周期進行等の細胞内諸反応との間に存在する統合的制御ネットワークの分子機構の解明を目指します。
◆試験管内反応系を用いた分裂酵母複製開始制御機構の解析
升方 久夫(マスカタ ヒサオ) 大阪大学 大学院理学研究科生物科学 助教授
真核生物の染色体DNAは細胞周期の特定の時期にただ一回だけ全体が複製するように調節されています。高等真核生物と類似性のある複製開始点を持つ分裂酵母をモデル系として、試験管内で制御を再現する系を開発し、複製開始機構の解明を目指します。
◆ウナギが解き明かす精子形成の謎
三浦 猛(ミウラ タケシ) 北海道大学 水産学部海洋生物生産科学科 助手
ウナギは日本人にとって馴染みの深い魚です。このウナギが、実は精子が作られる過程を解析する上で優れた実験材料となります。何故なら、ウナギは生体内は勿論、試験管内でもホルモン等の処理により精子形成を誘導することができるからです。本研究では、このウナギを用いて精子形成制御の分子機構の解明を目指します。
◆脊髄ニューロンにおける痛み信号の処理機構
籾山 明子(モミヤマ アキコ) 長崎大学 医学部生理学第二講座 日本学術振興会特別研究員
脊髄後角ニューロンがシナプス伝達を介して侵害性信号(痛みの感覚をもたらす信号)を受信し処理するメカニズムの解明を行います。シナプス伝達の際に発生する興奮性シナプス電流と、これを構成している受容体チャネル、また複数のニューロンがシナプス伝達を介して形成する神経回路網、それぞれのレベルに分けて解析を行います。

「情報と知」準研究領域

◆モーバイルオブジェクト・コンピューティング
加藤 和彦(カトウ カズヒコ) 筑波大学 電子・情報工学系 助教授
オブジェクトが、内部にプログラム、データ、そして計算の状態を含むことができ、かつ、ネットワークで接続されたコンピュータサイト間を移動可能であるとき、そのオブジェクトはモーバイルであるといいます。ローカルネットワークと、インターネットに代表される広域ネットワークとを接続した分散計算環境上で、計算機資源を厳格に保護しつつ、モーバイルオブジェクトを自在に扱うことを可能とする計算システム体系の確立を目指します。
◆利用目的に応じた情報の組織化と自動編集
佐藤 理史(サトウ サトシ) 北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 助教授
編集とは、利用者とその目的を想定し、それに適した形に情報をまとめ上げる作業を指します。本研究では、インターネットを介して電子的にアクセスできる膨大な未整理情報を、利用者が有効に活用できるような形に自動編集する技術について研究します。
◆分散実時間システムにおける時間概念の抽象化および形式化
田辺 誠(タナベ マコト) 財団法人京都高度技術研究所 研究開発本部情報メディア研究室 研究員
実時間計算に現れる時間に関する諸概念の抽象化及び形式化を行い、分散実時間システムのデザインに有用となる計算モデルを構築することを目指す。特に、計算の実行に与えられる時間を資源の一種としてとらえること、システムをメタに見通す視点と計算を行う主体の視点との違いを両者の持つ時間に関する知識構造の違いとして表すことを目標とする。
◆創造的な情報デザインの協調的支援技術に関する研究
中小路 久美代(ナカコウジ クミヨ) 株式会社SRA ソフトウエア工学研究所 主席補
本研究は、情報デザインに必要となる知識を他人との協調によって知識ベースを徐々に進化させることによって構築し、人間と計算機とがインタラクションしながら補完的に協調しつつデザインを行うような環境によって情報デザインの支援を行うことを目的とするものです。具体的には、デザインに内包される「概念」に着目し、その進化のプロセスを中心とした情報デザインプロセスの支援環境を実装し、その評価を行います。
◆並列分散制御用実時間アーキテクチャの研究
山崎 信行(ヤマザキ ノブユキ) 工業技術院 電子技術総合研究所情報科学部 通商産業技官
本研究では、並列分散制御をターゲットにした実時間通信と実時間処理を融合したアーキテクチャの研究を行います。プロセッサ自身に複数の実時間通信リンクを持ち、通信の実時間性とプロセッサの演算及びイベント処理の実時間性の全てを保証できるような実時間アーキテクチャを実現することを試みます。

This page updated on March 26, 1999

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