用語の解説


1. イオントラップ
 電場や磁場を組み合わせて作ったポテンシャルの井戸にイオンなどの荷電粒子を長時間閉じ込める技術。閉じ込めた粒子をレーザーなどを用いて極限まで冷却する方法が開発され、種々の基礎物理定数の精密測定において、最も信頼される実験技術として活用されている。
2. ラムシフト
 電子に対する放射槻(電磁場)の反作用によって生じる原子の電子エネルギー順位のずれをいう。水素原子内の電子のエネルギ一準位間のずれが、米国の物理学者ラムらにより高周波分光法を用いて発見され、この名で呼ばれるようになった。この事実は、通常の相対論的量子力学では予測できず、量子電磁力学理論の発展によりはじめて説明可能となった。
 このエネルギーのずれの大きさは多価イオンになると増大し、これを正確に測ることは、精密な基礎理論の発展を促すといわれている。


This page updated on March 31, 1999

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