研究代表者 |
所属 |
役職 |
研究課題名 |
研究の概要 |
高橋 保 |
北海道大学 触媒化学研究センター |
教授 |
多置換π電子系分子の開発と応用 |
これまでの研究で、多置換アセン類、多置換ビニレンフェニレン、シクロブテニレンビフェニレンなどの新規多置換π電子系分子の合成、薄膜化技術を開発した。
そこで本課題では、有機機能性材料として応用研究を進め、電子-光変換素子である有機発光素子、光-電子変換素子として太陽電池への応用を図る。 |
津本 忠治 |
大阪大学 医学部 |
教授 |
遺伝子改変細胞キメラ培養による神経回路網形成機構の解明 |
これまでの研究では、神経回路網形成への関与が想定されてきた神経栄養因子に注目し、蛍光蛋白質標識遺伝子ベクターの細胞核内への直接注入法を開発、神経栄養因子が神経活動とともに標的細胞に移行することを発見した。
本課題では、複数の遺伝子改変神経細胞のキメラ培養標本を作製し、神経栄養因子の移行が回路網形成に果たす役割の解明を目指す。 |
寺崎 哲也 |
東北大学 未来科学技術共同研究センター |
教授 |
脳関門排出輸送に基づくアルツハイマー型痴呆症の解明と創薬 |
これまでの研究で、血液脳関門において脳内の神経伝達物質、その代謝物、尿毒症物質、神経毒性物質、βアミロイド蛋白などの不要代謝物、薬物を循環血液中へ排出する輸送特性を明らかにした。
そこで本課題では、アルツハイマー型痴呆症患者の脳内に蓄積するβアミロイド蛋白の除去機構に焦点を絞り、血液脳関門輸送系の実体を分子レベルで解明し、アルツハイマー型痴呆症の新規治療薬開発の突破口を開くことを目指す。 |
堂免 一成 |
東京工業大学 資源化学研究所 |
教授 |
太陽光による高効率水分解光触媒系の実現 |
これまでの研究において、遷移金属オキレナイトライド等非酸化物系物質群が可視光を十分に吸収し、水を分解できるポテンシャルを持つ安定な光触媒材料として活用できることを初めて見出した。
そこで本課題では、この新たに見出した物質群をベースに、格子欠陥の少ない新規な光触媒材料の調整法の開発や水素と酸素の効率的生成サイトを構築するための新規な触媒修飾法の開発などを行い、太陽光で効率よく水を分解する光触媒系を構築する。 |
長田 重一 |
大阪大学大学院 生命機能研究科 |
教授 |
アポートシスと貧食の分子機構とその生理作用 |
これまでの研究で、ある種のサイトカインがアポトーシスを誘導することを見出し、この系の異常が、細胞の異常増殖、がん、自己免疫疾患、組織の破壊などさまざまな疾患へと結びつくことを明らかにした。
そこで本課題ではアポトーシスに続く貪食の分子機構、その生理作用、赤血球やレンズ細胞など無核細胞の生成機構を明らかにすることを目指す。 |
平山 祥郎 |
NTT物性科学基礎研究所 量子物性研究部 |
部長 |
キャリア相関を用いた量子コヒーレントシステム |
これまでの研究では、半導体ナノ構造の基礎的評価研究を行い,量子計算機構成素子として使用できる可能性を明確にした。
そこで本課題では、この成果をうけ、電気系で制御できる半導体量子コンピュータの元となる素子の作成を目指す。 |
藤井 義明 |
筑波大学 先端学際領域研究センター |
客員教授 |
ダイオキシン受容体の生体における本来的機能の解明 |
これまでの研究で、アリルハイドロカーボン受容体(AhR)がダイオキシンによる催奇形性やベンツピレンなどの発癌性に関与していることが証明された。
そこで本課題では、AhRの生殖における役割、免疫、皮膚における役割を解明し、AhRが魚類から哺乳類まで保存されている進化的意義を明らかにすると同時に外来異物に対する生体応答の理解をさらに深化させる。 |
大津 元一 |
東京工業大学大学院 総合理工学研究科 |
教授 |
ナノフォトニックデバイスとシステムの開発 |
これまでの研究では、極微小な光である近接場光の本質を探る理論体系を構築し、ナノメートル寸法の新物質の創製、さらには原子レベルの新物質の創製をめざした。
そこで本課題では、従来研究をより深化させることにより、実際に使用できる光機能素子への応用可能性を探索する。 |
北野 宏明 |
ソニーコンピュータサイエンス研究所 |
取締役副所長 |
北野共生システムプロジェクト |
これまでの研究では、生物をシステムとして理解するという「システムバイオロジー」の方法論及びそれを応用したコンピュータ上での仮想実験系の確立に関する研究を行ってきた。
そこで本課題では、この成果をさらに深化させ、生物学実験系と融合することで、統合的なシステムバイオロジーの方法論と理論の確立を目指す。 |
楠見 明弘 |
名古屋大学大学院 理学研究科 |
教授 |
1分子観察/操作による細胞膜の動的情報変換システムの解明 |
これまでの研究で、「生きている細胞」中で、1分子毎に、相互作用(一分子蛍光共鳴エネルギー移動)・共局在・運動を調べる方法を開発し、細胞内シグナル系はデジタル式に働くという仮説を得た。
そこで本課題では、ラフト経由の系など細胞膜上でのシグナル変換を取り上げ、この仮説を検証し、シグナル伝達システムに共通する作動原理を明らかにすることを目指す。 |
近藤 寿人 |
大阪大学大学院 生命機能研究科 |
教授 |
小型魚突然変異体群を用いた脳領域発生の研究 |
脊椎動物における胚発生の機構を明らかにするために、世界ではじめてメダカでの大規模突然変異体作製を実施し、1600の劣勢致死突然変異体の中から300余の胚発生にかかわる突然変異体(特に脳の形成の変異体)を選んだ。
そこで本課題では、特に脳の機能領域形成にかかわる変異体の原因遺伝子を明らかにし、その分子機能を解明することを目指す。 |
山本 喜久 |
スタンフォード大学 応用物理・電気工学科 |
教授 |
光を用いた量子情報システムの研究 |
これまでの研究で、単一量子ドットを用いた単一光子光源を用いた量子暗号伝送実験に成功するなど、量子相関を持った複数の光子や原子を制御する原理と実験技術の基本研究を行った。
そこで本課題では、既存成果を深化させることにより将来の量子情報技術(量子コンピュータ、量子暗号など)に関する中核技術の確立を目指す。 |