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発表題目 | 「量子エンタングルメント(量子連結相関)の抽出実験に世界で初めて成功」 -量子情報処理の実現へさらに一歩近づく- | ||||||||||||||||
発表機関 |
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概要 |
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論文著者 | 氏名(現職・前職・年齢)
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研究経緯 |
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内 容 | 昨年度(2001年)同じ著者等は量子エンタングルメントを抽出する量子光学回路を理論的に提案した(Physical Review A64,012304(2001))。今回はそれを実験的に実証したものである。実験としては非線形光学によりエンタングルした複数の光子ペア群を同時発生し(日本初)、それらに位相雑音を印加することによりエンタングルメントを取り去り、提案した光学回路にてそれらを一括処理して一つのペアを抽出し、エンタングルメントを測定した。 その結果再現性の良いエンタングルメント回復が観測された(世界初)。 | ||||||||||||||||
意 義 | エンタングルメントとは複数の系の間に見られる量子力学特有の連結状態であり、量子力学を古典力学と区別せしめる根幹的概念である。特に二つの量子ビットがペアで形成するエンタングルメントは量子情報処理実現のために不可欠な基本的リソースとなる。「エンタングルメントの抽出」とはエンタングルメントが失われた多数のペアを一括処理してエンタングルメンが回復した小数のペアを得ることである。これは量子情報処理の実際的実現のために重要であるだけでなく、その抽出限界からエンタングルメントの本質を探る重要な手がかりが得られるため、世界的にその実験的実現が待たれていた。 | ||||||||||||||||
今後の見通し | 今回の実証実験では現象としての「エンタングルメント抽出」を初めて観測することができた。今後は量子トモグラフィを併用する等によりさらにレベルを上げ、これを用いた新しい量子情報処理を提案し、その基礎実験を目指す。(以上) | ||||||||||||||||
本研究の関連論文(理論提案) |
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量子情報関係はこのほか | Physical Review Letter:9件 Physical Review A:20件 その他 |
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