地域名:三重県
課題名:「閉鎖性海域における環境創生プロジェクト」 |
<事業概要> |
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閉鎖性海域での養殖生産と生活排水の流入によって底質環境が悪化し、危機的状況に到っている英虞湾において、産学官の研究ポテンシャルを結集・活用し、効率的な底質改善と干潟・浅場・アマモ場の造成により、海域の自然浄化機能の向上を図るとともに、水質予報に基づく養殖の導入により、海域の環境保全と真珠養殖等の生産活動が調和した新たな沿岸海域の環境を創生し、地域経済の活性化に資する。
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<事業の推進に関して> |
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企業、大学、地元NPO等といった産学官の研究ポテンシャルを結集・活用し、且つ三重大学、三重県科学技術振興センターを核としたコア研究室を対象海域近くに設置する計画となっている点で、対象海域を中心とした産学官の連携体制の構築と、円滑な事業推進が期待される。
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<研究開発に関して> |
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環境対策事業は局所的な対処ではかえって悪化させることがある中で、実海域をフィールドとした総合的な現場実証型研究を進めることにより、長年の懸案の解決策として期待がもてる。また、三重大学を中心とした県内外の有力大学と、環境改善技術に実績のある企業との共同研究が推進されれば、新たな研究成果の創出が期待できるとともに、その成果の他地域への応用あるいは波及といった科学技術基盤形成も期待できる。
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<地域による支援に関して> |
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三重県の十分な協力体制とともに、プロジェクトの終了時には研究成果の他の海域への応用や、研究活動拠点・人材育成の基地としての機能をもつ研究環境の整備などが計画されており、地域COE形成に向けた支援が期待できる。
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<事業の実施にあたっての指摘> |
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沿岸環境創生技術の開発において干潟・藻場造成技術の有効性やリスクについて、また底質改善技術の開発においては安全評価について、さらに環境動態シミュレーションモデルの開発においてはモデル高度化の方法に関して、それぞれ検討すべき課題があるので、これらにつき実現性の可否を見極めた上で計画を定め実施する必要がある。
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