科学技術振興事業団報 第282号
平成14年12月5日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報室)
URL http://www.jst.go.jp

プレベンチャー事業で「高性能ポリシリコン薄膜」製造技術を開発

技術移転のサポート、装置の製造、販売等を行う大学発ベンチャー企業設立

 科学技術振興事業団(理事長 沖村憲樹)では、平成11年度より大学等の研究成果をベンチャービジネスにつなげていくための起業化に向けた研究開発を行う新規事業志向型研究開発成果展開事業(プレベンチャー事業)を実施してきました。
 この度、プレベンチャー事業において平成12年度より開始しました研究開発課題「高性能ポリシリコン薄膜」の研究開発チーム(リーダー:三宅正司、サブリーダー:江部明憲)のメンバーが出資して、ベンチャー企業 有限会社イー・エム・ディー(社長:江部明憲、本社:京都府京都市右京区、資本金:300万円)を平成14年11月18日に設立しました。
 太陽電池や壁掛け大画面テレビ等の半導体製品の低価格化には、電気特性が良く(電子やホールが流れやすい)大型で均一なシリコン薄膜を安価に製造する技術が欠かせません。ポリシリコンとは、多結晶シリコンのことで、シリコン結晶と同等な電気特性を持つため、有望な材料ですが、大型化しにくい、高温になるため耐熱性基板が必要といった問題がありました。
 大阪大学接合科学研究所三宅教授等は、電子レンジのような誘導加熱用アンテナを結晶成長装置内部に入れ、高周波大電流を流すことで、材料ガスを均一に加熱し分解させ基板上にたい積させるポリシリコン薄膜の製造技術を世界にさきがけて開発しました。
 本技術により、電気特性の良いポリシリコン薄膜を、大型(1メートル角)の安価なガラス基板上に低温(400℃以下)で製造することができ、液晶やその他新型の壁掛け大画面テレビ、太陽電池の製造に必須な基板(マザーシート)を安価に製造することができます。
 液晶ディスプレーを含む壁掛け大画面テレビの世界市場は、2010年で3.7〜8.7兆円(経産省技術調査室推計)、太陽電池の2010年国内市場は2兆円(NEDO資料)と見積もられ、当社は、プロセス技術としてその1%程度、800億円の売り上げを目指します。
 有限会社イー・エム・ディーは、本技術導入のコンサルティングや関連機器の製造販売、薄膜の製造販売を主業務としています。

 なお、本件についての問い合わせは、企業化開発事業本部 技術展開部 新規事業創出室
 (電話03−5214−0016) 服部又は金子までご連絡下さい。

新規事業志向型研究開発成果展開事業は平成14年度より研究成果最適移転事業 成果育成プログラムC(略称;プレベンチャー)に継承されております。


企業概要
新開発の装置概略図
ポリシリコンマザーシートとその応用



This page updated on December 5, 2002

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