科学技術振興事業団報 第279号
平成14年11月26日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報室)
URL http://www.jst.go.jp

科学技術振興事業団の機関評価結果について
(研究交流促進・研究支援事業、及び科学技術理解増進事業)

 科学技術振興事業団(理事長 沖村憲樹)では、多岐に渡る事業を実施していることから、機関評価について事業を「科学技術情報流通促進事業」、「技術移転推進事業」、「基礎的研究推進事業」、「研究交流促進・研究支援事業」、「科学技術理解増進事業」の5つに大別し、評価を順次行っている。
 評価は、事業団の外部から選任された14名の評価者からなる総合評価委員会(熊谷 信昭 委員長(大阪大学名誉教授))により実施されている。
 本報告は、「研究交流促進・研究支援事業」、及び「科学技術理解増進事業」について、総合評価委員会に、研究交流促進・研究支援事業評価部会(岸 輝雄部会長(独立行政法人物質・材料研究機構理事長))、科学技術理解増進事業評価部会(坂元 昂部会長(文部科学省メディア教育開発センター所長))を設け、部会における評価、取りまとめを踏まえて、総合評価委員会が作成したものである。

1.研究交流促進・研究支援事業についての評価

 事業の全般的な評価としては、研究交流促進・研究支援のための各事業は、いずれも科学技術の振興にとって不可欠なものであり、またその実績もあがっており、全体として評価できる。研究交流促進事業(人材交流・国際交流)及び研究支援事業は、国立試験研究機関等の国際化に貢献するとともに、その活性化に寄与した点で意義は大きい。地域科学技術振興関係の事業は、コーディネート機能の重要性に着目し、コーディネータを中心とした一連の事業を継続して実施してきた点で、先見性に優れた事業であったと極めて高く評価でき、今後とも事業団において、地方自治体、企業との連携、十分なコミュニケーションを確保しつつ、地域関係の事業を継続、発展させることが必要という内容となっている。
 その上で、
(1) 研究交流促進事業(人材交流・国際交流)については、独法研究機関等のニーズ把握による事業展開、人文・社会科学も含めた交流、及び、参加者の拡大が重要。
(2) 研究交流促進事業(地域科学技術振興関係)については、地域経済活性化につながる研究の推進、コーディネータの育成、及び成功事例のノウハウの共有が重要。
(3) 研究支援事業(重点研究支援協力員派遣事業)については、独法研究機関等のニーズ把握による事業展開を検討すべき。
 等の提言が行われている。

2.科学技術理解増進事業についての評価

 事業全般の評価としては、平成8年に新しい事業として開始以降5年の短期間に、我が国の学校教育機関以外の科学技術理解増進活動の中核的活動として成長してきたことは、高く評価できる。今後とも事業団において同事業を継続・発展させることが強く望まれるという内容となっている。また、重点的な事業展開の必要性などいくつかの点において、更に考慮が必要であるとの指摘が行われた。その上で、以下の提言が行われている。
(1) 科学技術理解増進事業は、効果が直ちにあらわれるものではなく、成果については長い目で見ていくべきであり、事業の継続的な実施が必要である。
(2) 事業団が国の科学技術理解増進事業のセンター的機能を果たすことは非常に重要である。全国の科学館や草の根的活動とネットワークを更に強化し、その活動をバックアップするような全国的な運動を展開していくことを期待する。
(3) 子供達に一番影響が大きいのは学校教育であり、学校、教育委員会、地方自治体との連携を深め、効果的な事業の推進を図ることが必要である。
(4) 科学、技術、それらが活用されている産業の現場をバランスよく取り上げるとともに、青少年が日本の技術、産業に誇りを持てるような事業を期待したい。
(5) 科学技術理解増進活動は、対象に適した活動を行う必要がある。子供に大きな影響力を持つ母親に対する活動、科学技術ジャーナリストとの連携等も重要である。
(6) より有効な事業の手法等について幅広い調査・分析を行い、それに基づいた実施方策を検討する必要がある。


科学技術振興事業団機関評価報告書(研究交流促進・研究支援事業)
科学技術振興事業団機関評価報告書(科学技術理解増進事業)



(注1)この発表についての問い合わせは、企画室 濱田(はまだ)、要(かなめ)まで御連 絡下さい。
    電話048(226)5608
(注2)本評価結果及び過去機関評価は、事業団のホームページで閲覧できます。
    ホームページアドレス http://www.jst.go.jp/announce/hyouka/index1.html


This page updated on November 26, 2002

Copyright©2002 Japan Science and Technology Corporation.