新規採択研究代表者・個人研究者および研究課題概要
社会技術研究プログラム
  研究領域「循環型社会」

氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
梅澤 修 横浜国立大学 大学院工学研究院 助教授 都市・地域構造に適合した資源循環型社会システムの構築 自動車スクラップの廃棄あるいは再資源化に対する生活環境の保全を目的とし、高付加価値化処理モデルと高付加価値2次合金素材に関する研究を行います。すなわち、シュレッダーダストの減量化システムと脱塩素処理技術の開発による排出抑制、水素エネルギー機能素材の再活性化による利用促進、リサイクル合金の展伸材プロトタイプ開発による用途拡大、東アジアでの低環境負荷プロセスへの取り組み調査となります。都市部基幹産業への波及効果が期待されます。
前田 正史 東京大学 生産技術研究所 教授 循環型社会における問題物質群の環境対応処理技術と社会的解決 問題物質群の最適化処理について技術的な評価を行い社会学的な解決を目指します。具体的には、問題物質の現状物質フローの把握と排出防止に関する技術的現状とその限界の調査・解析を行い、技術的な観点からの安定・安全処理技術の有効性を評価するとともに、問題物質の効用についても探査しその有効利用と次世代技術の可能性について検討します。また、社会的解決に向けたイノベーション戦略について分析を行い、環境的かつ経済的に持続可能な循環型社会の構築を目指すものです。
柳下 正治 名古屋大学 大学院環境学研究科 教授 市民参加による循環型社会の創生に関する研究 本研究は、循環型社会のあり方に関して格好の材料を提供している名古屋市をケースとして、廃棄物減量化政策の評価と目指すべき循環型社会のビジョン・シナリオ作りを通じて、市民参加・社会的合意形成の方法論を開発・提案しようとするものです。開発された合意形成手法は、我が国が直面する重要環境政策課題にとっても不可欠のツールであり、日本社会を持続可能なものに変革していくための必須の手法になり得ます。

総評:研究総括 山本 良一(東京大学 国際・産学共同研究センター センター長)
 昨年度は「都市と農村の連携を通じた有機物循環システムの再生」、「マテリアルリース社会システム構築のための総合研究」、「環境格付け指標、格付け手法、情報公開方法の開発」の三課題を採択し、プロジェクト研究をスタートさせることができた。それぞれ有機物循環、材料循環のためのリース社会システム、企業の環境経営を促進するための格付け手法を研究するというもので、正に循環型社会のグランドデザインにとって喫緊の課題である。
 本年度の募集に当たっては、これら三課題と直接重なるような課題は避けること、またヒートアイランド化やゴミ問題が顕在している事等から循環型都市の構築に関する研究テーマも重視することにした。その結果28 件もの研究提案が寄せられ、その中から8件を面接選考対象とし、最終的にはその中から3件を採択した。採択された課題はいずれも昨年度の課題とは直接オーバーラップしない野心的なものである。自動車を例にとった廃棄物の高度利用と低環境負荷プロセスの構築、問題物質群への対処法、名古屋市をフィールドとした市民参加による循環型社会の合意形成法であり3年という短い期間ではあるが成果が期待される。

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This page updated on October 31, 2002

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