新規採択研究代表者・個人研究者および研究課題概要
社会技術研究プログラム
  研究領域「社会システム/社会技術論」

氏名 所属機関 所属学部・
学科など
役職 研究課題名 研究課題概要
池田 三郎 筑波大学 社会工学系 教授 新規環境・技術リスクへの社会的ガバナンスの国際比較分析 不確実性が優先する技術・環境リスクの社会的ガバナンスには、関係者のリスク認知、科学的知見とリスクシナリオ、マネジメントのプロセスの信頼性、合法性、参加者の役割と責任等の総合的で多元的な分析が必要となります。本研究は、社会的ガバナンスが問われている課題として、(1) 食品安全リスク、(2) 電磁波の健康リスクを取り上げて、国際的な研究団体(IRGC, SRA)と協調し、欧米や発展途上国における事例の国際比較分析により、その評価の共通枠組みの構築を図ります。
鈴木 達治郎 (財)電力中央研究所 経済社会研究所 上席研究員 エネルギー技術導入の社会意思決定プロセス エネルギー技術の導入段階に関する意思決定は、その後の社会との関係を決定づける重要な社会課題です。しかし、これまでは限られたアクター間でのみ意思決定が行われてきたといえます。本研究は、エネルギー技術導入段階における社会の意思決定プロセスに焦点を当て、現実の事例研究をベースに、アクター間の相互作用、決定の評価軸、決定プロセスの変化などを総合的に分析し、望ましい意思決定のあり方について提言するものです。
吉村 達彦 九州大学 大学院 工学研究院 機械科学部門 教授 医療事故防止に対する製造業安全手法の適用研究 製造業の開発設計部門の安全技術を医療現場に適用し、医療事故の未然防止体制を構築する手法を提案すると同時に、医療現場のシステムを製造業が学ぶことにより、より合理的、効率的な製品開発手法を構築します。また、これらの研究を通じて、個別的、帰納的に行われる安全対策の背後にある共通の枠組みを明確にすることにより、安全学の構築を目指します。

総評:研究総括 村上 陽一郎(国際基督教大学国際学部 教授)
 昨年度は最初の年度だけあって、応募者の方々にも手探りのところがあったのか、およそ様々な応募内容であった。たしかに本領域は、内容の規定に曖昧なところがあり、色々な可能性を含んでいるだけに、応募提案が収斂し難いのは予想されたことではあった。
 本年度は、応募件数も昨年に比べれば半減とも言える数で、内容も多少収束してきた感がある。そのことは、本来ならば開かれた性格のものとして存在する本領域の門戸を、暗黙のうちに狭めつつあるのではないか、という自戒を促すものであると同時に、しかし今年度は、各応募書類が2人のレフェリーに余裕を持って検討して戴けたことはここにご報告できる。書類上の審査の結果、10件が面接の運びとなり、それぞれ熱の篭ったプレゼンテーションを伺うことができた。いずれも劣らぬ意欲的で、新鮮な内容であり、最終決定に持ち込むのには大変な困難があったことは、こうした場面の通例とは言え、このプログラムに携わる人間としての責任をあらためて感じさせた。
 結局3件が最終的に残されたが、テーマによっては、他の領域(公募領域、ミッション・プログラムの双方)とのオーヴァーラッピングがあるものもあった。そうした場合の対処策は、社会技術研究システム全体の中での検討課題であり、すでに検討を始めているところであるが、応募者もまた、応募先の選定に当たって充分配慮して下さるよう、ここにお願いのコメントを書いておきたい。

戻る


This page updated on October 31, 2002

Copyright©2002 Japan Science and Technology Corporation.