新JOISサービスのテスト運用開始
科学技術振興事業団(JST;理事長 沖村憲樹)は、2003年4月1日から本サービスを行う新JOISシステムのテスト運用を10月1日より開始する。JOIS(JSTオンライン情報検索システム)は現在累積2,500万件に及ぶ国内外の科学技術文献および医学文献を案内する二次情報オンラインサービスであるが、新JOISサービスでは文献案内情報と電子ジャーナルをリンクし文献の検索から電子文献等の閲覧、調達までをデスクトップ上で行える等のインターネット時代のユーザニーズに応える新たな二次情報サービスを展開する。今回のテスト運用は、既存の利用者の新システムへの習熟と本サービスに向けたあらゆるチェックを行う目的で実施される。
JSTは1976年よりJOISの運用を開始し、現在累積2,500万件に及ぶ国内外の文献案内情報を提供しており、研究者、技術者、医師等の文献調査に利用されている。現在提供中のシステムは1998年より運用されているが、利用者からは、インターネット時代に対応したシステムへの改善要求の他、文献案内情報からシームレスにインターネットで論文全文を入手したいという要求が高まっていた。
こうしたニーズに応えるため、JSTは1999年11月にSTN Internationalサービスにおいて協力関係にある、米国化学会の情報サービス部門であるケミカルアブストラクツサービス(CAS)と新JOIS開発に関するプロジェクト協定を結び開発に着手した。新JOIS開発では日本国内において多くのユーザから利用されているSTN Internationalの検索システム、ユーザインターフェースなどのシステム基盤を最大限に活用しつつ、日本語処理が可能なシステムとした。
今回の開発によりJOISのユーザインターフェースが大幅に充実し、ユーザのネットワーク環境に即した種々の検索インターフェースが提供されることとなった。
さらに、文献の検索結果から原文献の参照をシームレス行いたいというニーズに応えるため、文献案内情報と電子ジャーナルとのリンクを実現するためのシステム「JOISLink」を開発し、国内外の電子ジャーナルにリンクを行うことが可能になった。
2003年4月より「JOISLink」でリンク可能となる文献は、JSTが運営する、J-STAGE(国内学会の電子ジャーナル作成支援システムである科学技術情報発信・流通総合システム)に登載の学会誌約70誌およびJST医学薬学予稿集全文データベース(医学薬学分野の学会発表要旨全文)200誌の他、CrossRef参加の外国誌1,200誌と民間アグリゲータが提供する医学薬学関連雑誌180誌(配信準備中90誌含む)となる。
「JOISLink」には、データベースで検索された文献が自機関の図書館(OPAC)に存在するか否かを案内するYour Library機能も新設される。
JSTは、10月以降段階的に新JOISを利用者に開放し、新システムへの習熟度を深めてもらう他、全国各地において約140回の研修会を行い利用者の現行システムからの円滑な移行への支援を行う。新JOISシステムは2002年10月9日(水)から11日(金)まで東京国際フォーラムで開催される「DATABASE 2002 TOKYO」においても展示・紹介される。
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