科学技術振興事業団報 第26号

平成9年7月17日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「液中放電法によるセラミックス系膜形成装置」の開発に成功

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、豊田工業大学名誉教授 齋藤長男氏、同教授 毛利尚武氏および同教授 恒川好樹氏の研究成果である「液中放電法によるセラミックス系膜形成装置」を当事業団の委託開発課題の平成5年度課題として平成6年3月から平成9年3月にかけて三菱電機株式会社(社長 北岡隆、本社 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号、電話 (03)3218-2111、資本金 1,758億円)に委託して開発を進めていた(開発費約176百万円)が、このほど本開発を成功と認定した。
 切削等の工具や金型等に耐摩耗性や耐熱性等を付与するためには、比較的厚いセラミックス系膜を形成することが有効であるので、現在、その成膜方法としてPVD法(物理気相堆積)、CVD法(化学気相堆積)、溶射法が利用されているが、膜質(緻密性や密着性等)が不十分であったり、複雑な形状に対応できない、さらに、処理コストが高い等の課題があった。
 本新技術は、チタン化合物粉末等を圧粉体にした陰極と、被加工物である金属母材を陽極として油等の絶縁液中で放電を行う膜形成装置に関するものである。成膜メカニズムは、局所的に熱・圧力が発生すること及び陰極側の電流密度が高くなることを利用して、陰極(チタン化合物)の積極的な消耗と液中の炭素源により、生成する炭化チタン等のセラミックスを金属母材表面に堆積、密着させるものである。
 本新技術では、緻密で密着性の高い膜を形成でき、複雑形状への適用が可能であることから、切削工具や金型等の金属母材等への新しい表面改質法として広く利用が期待される。

「液中放電法によるセラミックス系膜形成装置」(背景・内容・効果)

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