科学技術振興事業団報 第23号

平成9年5月29日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報担当)

「酸化物超電導材料(Bi系超電導磁気シールド)の製造技術」の開発に成功

 科学技術振興事業団(理事長 中村守孝)は、東京理科大学教授 笛木和雄氏、東京大学教授 北澤宏一氏、東北大学教授(元科学技術庁金属材料技術研究所総合研究官)前田弘氏らの研究成果である「酸化物超電導材料(Bi系超電導磁気シールド)の製造技術」を当事業団の委託開発制度の平成3年度選定課題として平成4年1月から平成9年1月にかけて、日立化成工業株式会社(社長 丹野毅、本社 東京都新宿区西新宿2-1-1、電話(03)3346-3111、資本金約150億円)、日立電線株式会社(社長 原精二、本社 東京都千代田区丸の内2-1-2、電話(03)3216-1616、資本金約259億円)に委託して開発を進めていた(開発費約10億4千万円)が、このほど本開発を成功と認定した。
 金属系超電導材料が液体ヘリウム温度(約-269℃)での冷却を必要とするのに比べ、酸化物超電導材料は液体窒素温度(約-196℃)で使用できることから、広い応用分野への展開が期待されている。しかし、酸化物超電導材料は、層状の結晶構造に基づく異方性の強いセラミックスであり、結晶粒度、結晶粒界や結晶の配向性及び微細構造等が超電導特性と密接な関係をもつことから、精緻なプロセス技術の開発が望まれていた。
 本新技術は、ビスマス系酸化物超電導材料を用い、(1)超電導特性の一つであるマイスナー効果により、都市雑音などの弱磁場を遮蔽する弱磁場用磁気シールドと、(2)ゼロ抵抗を利用した超電導コイルをアクティブに駆動して医療用MRIなどの強力な磁石から漏れる磁場を遮蔽する強磁場用磁気シールドを製造しようとするものである。
 本新技術により製造した磁気シールドは、液体窒素温度で利用できる初めての遮蔽体で、効率よく磁気をシールドできることから広範囲の利用が期待される。

「酸化物超電導材料(Bi系超電導磁気シールド)の製造技術」(背景・内容・効果)

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