[研究内容] | ||||
光コム発生器は光のごとく超高周波数において周波数安定な光コムを生成することを世界で最初に可能にした技術である(コムとは櫛の意味。光コムとは規則的に並んだ櫛の歯ようなスペクトルを持った光の意味する。超高速で見ると光の瞬き(パルス)に見えるので、超高精度な多周波数光パルス発生器ともみなすことができる。)。本装置により、従来技術では不可能であった新たな機能を発現することが可能になる。現在製品化したものは計測用途を主目的に置いた装置で、光の波長、または光の周波数を従来の1000倍高精度に測定ができる。 そして、さらに今後3年をめどに開発を進めていく次世代の光コム発生器は、大きな市場である光通信分野に置いて光通信容量増大のための多波長を供給できる光源として独占的なシェアが期待できる。これにより光通信容量増大とともに大幅なコストダウンが可能となる。 以下本資料の(1)で原理、(2)では商品化した光コム発生器の概要を説明し、(3)では次世代の光コム発生器を説明する。 |
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(1)原理 | ||||
光コム発生器は周波数既知のレーザ光を離散的な多数のスペクトルに変換する。このようなレーザ光のスペクトル変換には通常の変調器を用いることは極めて効率が低く、事実上不可能であったが、図1に示すような光位相変調用結晶と、2枚の鏡で構成される光の共振器構造を用いることで実現した。 我々は、この基本原理を基に、構造の一体化(モノリシック化)と、独自のマイクロ波技術により高性能な光コム発生器を開発した。 |
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(2)商品化した光コム発生器 | ||||
当製品は試験研究機関、光通信事業者などを顧客対象として販売する。 当製品は光の周波数で 5000GHz以上(光の波長範囲で、およそ40nm以上)の範囲において光コムを発生し、その範囲のレーザの周波数を測定することができる。また短パルス光源として、1ps~数10ps(1兆分の1秒~1兆分の10秒)程度の範囲でパルス幅可変光源として機能する。 基本仕様の変調周波数は6.25GHzのみとなっているが、今後ユーザの求めに応じて任意の周波数を可能にして行く。 |
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(3)次世代の光コム発生器 |
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現在の光コム発生器の各波長の出力は図3のように中心波長から離れるにしたがって減衰している。そこで新たに各波長出力の均一化と高効率化を同時に実現する方法を発明した。(特願2001-354947、特願2001-334299、特願2002-038839) これにより今後の事業成長の鍵となる各波長出力の均一化を実現し、小型モジュール化した次期製品化を行なう。 本製品は波長多重光通信システムの通信キャリア用光源(使用例を図4に示す。)として革新的な光源になると考えられる。
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This page updated on May 22, 2002
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