科学技術振興事業団報 第219号
平成14年3月27日
埼玉県川口市本町4-1-8
科学技術振興事業団
電話(048)226-5606(総務部広報室)

プレ・ベンチャー事業から大学発ベンチャー;「アルブミン回収型腹膜透析技術」を活用した医療機器の製造・販売等を行うベンチャー企業を設立

 科学技術振興事業団(理事長 沖村憲樹)では、平成11年度より大学等の研究成果をベンチャービジネスにつなげていくための起業化に向けた研究開発を行う新規事業志向型研究開発成果展開事業(プレ・ベンチャー事業)を実施してきました。
 この度、プレ・ベンチャー事業において平成11年度より開始しました研究開発課題「アルブミン回収型腹膜透析オートサイクラー」の研究開発チーム(リーダー:竹澤真吾 鈴鹿医療科学大学医用工学部 助教授、サブリーダー:酒井旭 科学技術振興事業団)メンバー等が出資して、ベンチャー企業、株式会社メディカルシード(竹澤真吾代表取締役、本社:東京都品川区、資本金:1,000万円)を平成14年3月12日に設立しました。
 本研究開発チームは、腹膜透析治療において患者自身の透析排液からアルブミン等を分離、これを再び透析液に戻して使用する独自の技術に基づいた新しい腹膜透析機を開発しました。従来の腹膜透析では長期間治療を続けると腹膜硬化症や腸閉塞等を発症するという弊害がありましたが、本技術はその原因となる透析液中の高濃度のブドウ糖をアルブミンで代替とすることでブドウ糖の低濃度化を実現、さらにブドウ糖変性防止剤等を新たに添加するなどして発症原因である蛋白質架橋防止を図っています。また、作製した腹膜透析機本体は脱着式のカセット型回路を適用することで操作を簡易化し、携帯電話によるデータ送受信システムを搭載する等新たな機能を付加しました。
 株式会社メディカルシードでは、本技術に基づき腹膜保護・低アルブミン血症予防を可能とするアルブミン回収型腹膜透析機および関連機器等の開発、製造・販売、コンサルテーション業務等を行います。今後、本機器の小型化や稼働音の静粛化等を行い、在宅ケア用医療機器として改良を重ねていく予定です。

企業概要
アルブミン回収型腹膜透析装置の開発
新規事業志向型研究開発成果展開事業

 なお、本件についての問い合わせは、企業化開発事業本部 技術展開部 新規事業創出室
 (電話03−5214−0016) 服部又は難波までご連絡下さい。

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