別紙2

痒み鎮静作用を有する機能性繊維


 
課題名:痒み鎮静作用を有する機能性繊維
研究者:信州大学繊維学部教授 白井汪芳 他
委託予定企業:大和紡績株式会社(取締役社長 武藤治太、
           本社 大阪府大阪市中央区久太郎町3−6−8、 資本金182億円)
開発期間 4年、委託開発費3億円の予定

 本新技術は、木綿等の繊維にフタロシアニン化合物を担持し痒みを鎮静化する作用を持つ繊維を製造する技術に関するものである。
 本新技術の背景、内容、効果は次のとおりである。

(背景) 痒みの鎮静作用を持ち、取り扱いの容易な製品が望まれている

 恒常的な掻痒感(ソウヨウカン)による掻破(ソウハ)がアトピー性皮膚炎等の皮膚疾患の症状を悪化させるといわれている。従来痒みを鎮静化するためには、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤、保湿剤等が用いられていたが、これらは痒みを感じるたびに塗布・服用が必要になる、また抗ヒスタミン剤には催眠作用があるなどの問題があった。このため痒みの鎮静作用をもち、患者への負担が少なく取り扱いの容易な製品が望まれている。

(内容) フタロシアニン化合物を担持した繊維製品を製造する

 本新技術は、木綿等の繊維をカチオン化処理によってプラスに帯電させた後、フタロシアニン化合物を含む溶液中で反応させ、フタロシアニン化合物を繊維に担持した繊維を製造するものである。本繊維はアレルゲン等を吸着し痒みを鎮静化する作用を持つと考えられる。また、フタロシアニン化合物が繊維と強固に結合しており、洗濯によるフタロシアニン化合物の脱離は少ない。

(効果) 本繊維を用いた衣料製品を着用することにより掻痒感が低減される

 本新技術には次のような特徴がある。
(1) 着用により掻痒感が低減される
(2) 洗濯によるフタロシアニン化合物の脱離が少なく、痒みの鎮静作用が長期間維持される
 
 従って、次のような用途が期待される。
(1) 下着、サポーター
(2) 包帯、ガーゼ
 

This page updated on March 14, 2002

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