別紙1

下水汚泥酸発酵システム


 
課題名:下水汚泥酸発酵システム
研究者:広島大学大学院先端物質科学研究科教授 西尾尚道他
委託予定企業:日本鋼管株式会社(代表取締役 半明正之、
           本社 東京都千代田区丸の内1−1−2、 資本金2,300億円)
開発期間 2年6ヶ月、委託開発費2.9億円の予定

 本新技術は、酸発酵を用いて下水汚泥の減量化を図る技術に関するものである。
 従来の下水汚泥の減量化・資源化技術であるメタン発酵法と比べて、本システムでは1/5以下の期間で処理できると共に、投入された汚泥固形物を1/2程度に減量化することが可能となる。
 本新技術の背景、内容、効果は次のとおりである。

(背景) 下水汚泥の処分(焼却・埋立て等)量を減ずるとともに汚泥を資源として利用可能な形にするための処理システムの開発が望まれている

 下水道の普及に伴って増加し続ける下水汚泥の処理・処分が社会的に大きな問題となっており、減量化して処分(焼却・埋立て等)量を減ずる、あるいは汚泥を有効利用可能な形に変える等、排出される廃棄物量が少なく、かつ短期間で処理が可能な汚泥処理技術が望まれている。下水汚泥の代表的な減量化・資源化技術としては、汚泥中の有機物をメタンに変換するメタン発酵法が挙げられる。しかしながら、この方法は、微生物反応に長時間(20〜30日程度)を要しシステムが大型になる、固形物の減量化率は40%程度が限界である、等の問題を抱えている。

(内容) 下水汚泥を可溶化処理・酸発酵処理により減量化する

 本新技術は、下水汚泥へのアルカリ剤添加、超音波照射等の可溶化処理を施した後、微量のビタミンを添加し酸発酵を行い、下水汚泥を処理するシステムに関するものである。本新技術では酸発酵により汚泥を処理するため発酵期間が3〜5日程度に短縮され、処理システムの小型化が可能となる。また発酵前に可溶化処理を行うことにより汚泥中の有機物が微細化され、発酵の際多くの有機物が利用可能であるため、投入された汚泥固形物を半分程度に減らすことができる。発酵後に得られる酢酸等の有機酸は下水処理場での高度処理用の還元剤等として有効利用できる。

(効果) 発酵期間が短くシステム全体が小さくなると共に発酵後の廃棄物量が少ないため汚泥処理費用の削減が可能となる

 本新技術には次のような特徴がある。
(1) 有機物の利用率が高く、発生する汚泥固形物量が減少する
(2) 下水汚泥処理時間が短い
(3) 下水汚泥中の有機物を酢酸等の有機酸として回収でき下水処理場内での高度処理に活用できる
 
 従って、次のような用途が期待される。
(1) 下水汚泥処理システム

 

This page updated on March 14, 2002

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