氏名 |
フリガナ |
所属機関 |
所属学部・学科など |
研究課題名 |
清水 博 |
シミズ ヒロシ |
金沢工業大学 |
場の研究所 所長・教授 |
自動化された社会的システムに生じるカオス(危機)とその制御 |
竹内 啓 |
タケウチ ケイ |
明治学院大学 |
国際学部 教授 |
地球温暖化問題に対する社会技術的アプローチ |
藤垣 裕子 |
フジガキ ユウコ |
東京大学 |
大学院総合文化研究科広域システム科学系 助教授 |
公共技術のガバナンス:社会技術理論体系の構築にむけて |
若松 征男 |
ワカマツ ユキオ |
東京電機大学 |
理工学部一般教養系列 教授 |
開かれた科学技術政策形成支援システムの開発 |
総評 : 領域統括 村上 陽一郎 (国際基督教大学 大学院部長)
現代において科学や技術は社会の構成にとって不可欠であり、意識するとしないとに関わらず、科学技術化された社会あるいは社会化された科学技術と言えるほど、お互いに入り組んだ状態にある。しかし、社会を対象とする社会科学などの学問も、現実社会のシステムや制度も、必ずしも「科学や技術が組み込まれた社会」という前提に立って来なかったと言わざるを得ない。そのような問題意識から、科学や技術が有機的に組み込まれた社会を考え、そのような社会を扱う新しい座標の構築を目指す本研究領域を設定した。
新しい社会システムや制度等の構築につながる研究を期待した今回の募集に対し、83件の応募があり、科学技術アセスメントやリスクマネジメント、戦略的な科学技術政策形成から意志決定やガバナンスの問題など、多岐にわたる非常に興味深い提案が多くあった。これらの提案について、6名の領域アドバイザーの協力により書類審査を行い、領域の趣旨に沿った提案のうち特に優れた研究提案12件を面接対象として選定し、それらに対し面接選考を行った。
採択に際しては、現実社会の問題を的確に捉え、かつその解決に向けた実効的な提案がなされていること、3年間の研究期間で具体的な成果の期待できること、既存の学問領域やアプローチにとらわれない、独創的で野心的な提案であることなどに留意し、4件の優れた提案を選定した。
本研究領域の公募に対しては、様々な視点から多くの高度な研究提案が寄せられ、このプロジェクトへの期待の大きさと責任を今更ながら強く感じて身の引き締まる思いであった。当然ながら審査は困難を極めた。特に総数の5%しか採択できないという制約から、一部においては、何らかの形でマイナス要件も考慮しながら相対的に評価する、という方法を採らざるを得なかった。また最初ということで、全体としてやはり「難」の少ないものに偏り、冒険に踏み切れなかったという反省は残った。採択に至らなかったものの中にも魅力的な提案は多々あった、という感想は不採択になった方々に何の慰めにもならないが、採択された提案については実り多い成果を期待したい。
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