別紙1

 

課題名:B−C−Nヘテロダイヤモンド焼結体の製造技術

研究者:独立行政法人産業技術総合研究所環境安全管理部長 藤原修三 他
委託予定企業:トーメイダイヤ株式会社(代表取締役 石塚 博、
         本社 東京都港区赤坂3−21−20、資本金3.6億円)
開発期間3年、委託開発費2.7億円の予定

 本新技術は、ダイヤモンドと立方晶窒化ホウ素(cBN)の両方の利点を併せ持つ新材料B−C−Nヘテロダイヤモンド焼結体の製造に関するものである。
 これまで、切削工具は、鉄系材料についてはcBN焼結体、鉄以外の加工についてはダイヤモンド焼結体と切削対象毎に使い分けられていたが、本焼結体により、素材を問わず一つの工具で切削加工が出来るようになることが期待される。
 本新技術の背景、内容、効果は次のとおりである。

(背景) ダイヤモンドとcBNの両方の利点を併せ持つ新材料B−C−Nヘテロダイヤモンド焼結体の製造が望まれている

 硬質材料の切削、切断加工の分野では、現在、ダイヤモンドとcBNの焼結体からなる切削工具が主流となっている。ダイヤモンドは地球上で最も硬い物質であることから、切削加工工具に適した材料であるが、高温下において鉄系金属中への拡散が大きいことから摩耗が激しく、鉄系金属の加工には適していない。一方、cBNは、酸化雰囲気中で1,200℃まで安定であること、高温においても鉄系金属との反応性がないことから、切削工具として鉄系材料の加工に広く用いられているが、硬さにおいてはダイヤモンドに劣るという問題があった。
 こうしたことから、ダイヤモンドとcBNの両方の利点を併せ持つB−C−Nヘテロダイヤモンド焼結体が望まれていた。

(内容) B−C−Nヘテロダイヤモンド粉末を高温高圧下で焼結し、切削工具を作る

 本新技術は、新たに合成が可能となったB−C−Nヘテロダイヤモンド(微粉末)を原料に、高温高圧プレス装置により焼結体を製造するものである。これを加工することにより、ダイヤモンドとcBNの両方の利点を併せ持つ優れた切削工具の製造が可能になる。
 BC2.5Nに近い組成のヘテログラファイトに、衝撃加圧(30〜40GPa)を加えることにより、B−C−Nヘテロダイヤモンド粉末を大量に合成する方法が確立されたため、焼結体の製造が可能となった。

(効果) 素材を問わず切削可能な工具の作成が可能

 本新技術には次のような特徴がある。

(1) ダイヤモンドとcBNの中間の硬度を有する
(2) 鉄系金属に対し不活性である
(3) 鉄を含む複合材料の切削が可能となる

 従って、次のような用途が期待される。

(1) 自動車関連産業(例:プラズマ溶射により表面加工されたエンジン材料)における切削工具
(2) 土木・建設工事(例:鉄筋コンクリート)における切削工具
 

This page updated on December 14, 2001

Copyright©2001 Japan Science and Technology Corporation.