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研究概要一覧


【ポスドク参加型】

「変換と制御」(領域総括:合志 陽一 国立環境研究所 理事長) 10件

氏 名 機関・所属・役職 研究課題名 研究課題概要
池田 茂 北海道大学触媒化学研究センター助手 異相界面微粒子触媒による合成反応 固体表面を反応の場として利用する固体触媒反応は、グリーンケミストリーをめざした化学反応系の一つとして注目されている。本研究では、相溶性のない水と有機化合物の二相からなる溶液系(異相系)での有機化学反応に固体触媒を利用するため、異相界面に分布する微粒子触媒を作製し、これを利用して有機溶媒を使わないで反応を行なう界面触媒反応系を構築することを目指す。
今堀 博 大阪大学大学院工学研究科助教授 ナノ構造体を用いた光合成型エネルギー変換系の構築 21世紀には環境にやさしく、低コストの光エネルギー変換系の開発が望まれている。本研究では植物の光合成で行われているアンテナ機能と電荷分離機能の共役に着目し、電極上で3次元的に2つの機能を連動させたナノ構造を有する光電変換系を構築することを目指す。そのために人工アンテナ分子としてポルフィリン集合体、人工電荷分離分子としてポルフィリン・フラーレン連結系を利用することを検討する。
小江 誠司 岡崎国立共同研究機構分子科学研究所助手 pH制御による水中物質変換反応 有害かつ枯渇性資源由来の有機溶媒を用いない水の中での化学反応は、環境調和型の化学として注目されている。本研究では、特定のpHでのみ触媒として機能する水溶性有機金属アクア錯体(pH選択的触媒)をデザイン・合成し、「水素・酸素の活性化」、「窒素・炭酸固定」、「炭素-炭素結合生成反応」をpHで制御することを目指す。
榧木 啓人 科学技術振興事業団戦略的基礎研究推進事業研究員 超臨界二酸化炭素による高効率カルボニル化反応 超臨界二酸化炭素は31.1℃、7.38 MPa以上の温度圧力条件で形成され、高拡散性、弱い溶媒和等、反応媒体としての興味深い特徴を有している。本研究では、超臨界流体核磁気共鳴(NMR)装置を活用し、超臨界流体中の化学種の挙動や素反応機構の解明および、二酸化炭素に可溶な錯体触媒の探索を行い、二酸化炭素の高効率固定化反応の開発を目指す。
黒田 章夫 広島大学大学院先端物質科学研究科助教授 微生物によるリン酸ポリマー蓄積機構の解明と利用 微生物はリン酸が千個程度つながったポリマーを合成する能力がある。本研究では、このリン酸ポリマーの合成制御機構と細胞機能を解明し、それを改良することによって、リンの吸収や放出を可能とする新しいリン蓄積微生物を開発する。これを利用して土壌や水圏のリン循環を活発化させ、貴重リン資源の有効利用を目指す。
後藤 雅宏 九州大学大学院工学研究院助教授 非水系でのナノ集合体と生体分子の融合による機能変換と制御 非水溶媒中で両親媒性の化合物は、逆ミセルと呼ばれる安定なナノ分子集合体を形成することが知られている。本研究では、これらナノ集合体の作り出す特異環境を利用してタンパク質などの生体分子に、非水溶媒中での機能発現の場を与える。特に、有機溶媒中やイオン性液体中で安定な生体触媒を設計し、クリーンで高効率の環境調和型バイオプロセスの構築を目指す。
紫藤 貴文 東京大学大学院理学系研究科助教授 不斉な反応場キャビティを用いる不均一系不斉触媒 触媒的不斉合成反応は医薬品などの合成に必要不可欠な技術であるが、高いランニングコストが実用化をさまたげている。本研究では、触媒活性サイトを内包するキラルキャビティを酸化物の表面に構築することによって、長寿命で、ランニングコストの低い不斉合成触媒を開発することを目指す。
徐 超男 産業技術総合研究所九州センター基礎素材研究部門主任研究員 無公害な電気−力−光の多元エネルギー変換素子 環境保全やリサイクルの観点から鉛などの有害物質の使用は世界中で規制されつつある。一方、現状では自動車、家電製品等に高性能なセンサー・アクチュエーターが多用されているが、多くは鉛系などの有害物質を含んでいる。本研究は無公害の酸化物を用いた高効率な電気−力−光という斬新な多元エネルギー変換素子の開発を行い、新規な高性能変換素子としての利用を目指す。
丸山 厚 東京工業大学大学院生命理工学研究科助教授 核酸シャペロン機能を持つ高分子設計とDNA解析への展開 核酸ハイブリッドはその形成、解離などの構造変換が精緻に制御されることで、生命活動の中枢を担っている。本研究では核酸ハイブリッドの構造変換を媒介する核酸シャペロン機能を持つ合成高分子の設計を計る。さらにそのシャペロン機能を利用し、分解能と迅速性に優れた新しいDNA解析システムの創出を目指す。
村越 敬 大阪大学大学院基礎工学研究科助教授 電子・分子・イオンの流れを制御する金属ナノ構造 ミクロな粒子の流れを効率的に制御する系の創出を試みる。ナノメートルオーダーで構造の制御された非対称な金属微小接合や2次元の周期的超構造を電気化学的な手法によって調製し、機能発現の場とする。外部から電位や磁場、力などの摂動とそれらの揺動を組み合わせて電子、分子、ならびにイオンの効率的な整流・分別を達成し、効率的なエネルギー変換系や複数の要因が相関をもって機能を発現する系の理解を深める。
*下線部は研究の実施により期待される技術の発展や新技術の創製を示す。

This page updated on November 12, 2001

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