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研究概要一覧


【ポスドク参加型】

「協調と制御」(領域総括:沢田 康次 東北工業大学 教授) 8件

氏 名 機関・所属・役職 研究課題名 研究課題概要
岡ノ谷 一夫 千葉大学文学部助教授 音声分節化のしくみと発達 聞き慣れない外国語はすべて連続して聞こえ、単語の切れ目が分からない。意味が分かることの前提に切れ目がわかることがあり、これを分節化する能力と言う。小鳥もヒトも、音声を学習するための分節化能力を備えている。本研究では、乳幼児から成人に至るまでの分節化能力の発達過程を、小鳥の歌学習のための神経回路の発達過程を手本として解明する。
筧 慎治 東北大学大学院生命科学研究科助教授 大脳−小脳連関の協調的情報処理 大脳―小脳連関は、大脳皮質に発し小脳を経て再び大脳皮質に戻る大規模なループ状神経回路を指し、随意運動から思考にまで及ぶ極めて広範な高次脳機能の制御に重要な役割を果たしている。その本質は、小脳の「内部モデル」を介する情報の変換であると考えられている。本研究では、この大脳―小脳連関におけるダイナミックな情報処理のアルゴリズムを実験的に見出し、システム固有のモデル化の原理を明らかにする。
片寄 晴弘 和歌山大学システム工学部助教授 音楽分野におけるデザイン再利用とその展開 コンテンンツとしての音楽は、通常、具体的な目標イメージをかかげた上で、制作がなされていく。このような形でのデザインの支援を目的として、言語化困難な使用者のイメージのモデリングを行うのではなく、事例から基本構造部分とElaboration (デザインの特徴、詳細化部分)を分離し、それを再利用・転写するための方法について研究を行う。
河原 達也 京都大学大学院情報学研究科助教授 議論や会話における音声言語情報の分析とモデル化 従来の音声言語システムがヒューマン・マシン・インタフェースとしての認識技術を中心に進められて来たのに対して、本研究ではヒューマン・ヒューマン・インタラクションにおける音声から非言語情報を含めて、発話内容や発話意図を抽出するためのモデル化を行う。具体的には、議論や会話において伝達されている情報を抽出し、知的アーカイブ化や会話システムの実現を目指す。
篠原 歩 九州大学大学院システム情報科学研究院助教授 数値演算的手法による文字列処理 文字列は、情報の格納・伝達のための最も基本的な型の一つであり、効率のよい文字列処理は、大量のテキストデータを扱うための要となる要素技術である。本研究は、文字列として与えられる情報を、そのままの離散的な値としてではなく、連続的な量としてとらえるための枠組みを開発し、様々な文字列処理を数値演算として実装するための基礎理論の構築を目指す。
西尾 信彦 慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科助教授 Improvised Network :自律的に再構成するモバイルネットワーク 情報通信機能を備えたセンサやデバイスが人や自動車などに付属して広域に分散した環境を想定した、新しいアプリケーション(広域環境情報観測、広告配信、地雷捜索など)構築のための基盤技術を研究する。自律的に各ノードは位置などのローカルな状況を認識し、かつ他ノードとの最新情報の授受を効率的に行うことによって、動的に適切なノードが選択的に活性化する即興的な(improvised)ネットワークの構築を図る。
本田 学 岡崎国立共同研究機構生理学研究所助教授 運動・思考・感性の脳内協調制御メカニズム 人間において高度に発達した思考過程は、抽象化した情報を自由に操作することにより、高度な文明社会を築いてきた。一方で、環境からの制約を失った思考過程が暴走すると、脳内世界が歪み、現実環境との間に深刻な不調和をおこしてしまう。本研究では、運動制御との共通性および感性による行動制御をてがかりに、人間の思考過程と環境との協調的制御が脳内でいかにおこなわれているか、そのメカニズム解明に挑む。
山本 義春 東京大学大学院教育学研究科教授 感覚ノイズによる脳機能の活性化手法 近年、外界あるいは脳・神経系に内在するノイズは、脳・神経系の動作に弊害を及ぼすどころか、ある場合には有利に働くという概念が定着しつつある。本研究では、この概念をさらに発展させ、人工的感覚ノイズ入力によるヒト脳の活性化手法の神経科学的および技術的基盤の確立を目指し、さらには新たな脳神経疾患の治療機器、ヒューマン・インターフェース等の開発を模索する。
*下線部は研究の実施により期待される技術の発展や新技術の創製を示す。

This page updated on November 12, 2001

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