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研究概要一覧


【ポスドク参加型】

「合成と制御」(領域総括:村井 眞二 大阪大学大学院工学研究科 教授) 10件

氏 名 機関・所属・役職 研究課題名 研究課題概要
有本 博一 静岡大学理学部助教授 集積型生物活性物質の合成と機能制御に関する研究 生物活性分子を多数連結すると個々の総和より強い応答が得られる場合があり、これらを集積型生物活性分子と呼ぶ。本研究では、天然有機化合物やペプチドを組み合わせて有用な機能を持つ集積体をデザインし、固相や金属触媒など発展著しい手法によって合成し、感染症、癌などの重要な疾病克服を目指して研究を行う。
内山 真伸 東京大学大学院薬学系研究科助手 金属アート錯体創製による芳香族化合物の多様化 芳香族化合物は創薬化学において重要な基本構造であり医薬品に多数存在する。しかしながら、現在でも芳香族化合物への置換基導入および制御には大きな制限があり、機能性物質創製への展開が阻まれている。本研究では、芳香族化合物の多様化を実現するために、新機能金属アート錯体を能動的かつ精密にデザインし、新たな芳香族置換反応の開発と高効率化および応用性の拡大を目指す。これにより、今まで合成困難とされていた芳香族化合物を創製し、医薬品を含む様々な機能性分子への応用に挑む。
金井 求 東京大学大学院薬学系研究科講師 遷移状態相補的反応場の設計と不斉触媒化 医薬品や有機材料を、化学合成により環境負荷をかけずに供給するための新規触媒反応開発を目的とする。本研究では、反応遷移状態の安定化と反応剤の活性化を同時に行える高活性な不斉触媒を反応遷移状態の構造から論理的に創製していくことを基本的な考え方とし、独自の新規不斉触媒反応による医薬リード化合物の効率的合成法の確立を目指す。
杉野目 道紀 京都大学大学院工学研究科助手 機能性ホウ素反応剤のデザイン・創製・新反応 ホウ素は金属的性質を持ちながら、炭素と安定な結合を形成する特徴的な亜金属元素である。本研究はそのようなホウ素の特性を最大限に活かすようにデザインされた新規ホウ素化合物を合成することにより、従来にない効率的な有機変換反応を可能にする新反応剤の開発を行うとともに、新しい機能を発現する有機ホウ素化合物の開発を目指す。
袖岡 幹子 東北大学多元物質科学研究所教授 配位子としての水の特性を生かした触媒反応の開発 遷移金属に配位した水や水酸基は、遊離の水分子やアルカリ金属の水酸化物とは異なる特性を持っている。本研究では、この特性に着目した反応設計により、水や水酸基を配位子としてもつ遷移金属錯体を触媒として用いる新しい反応、特に不斉4級炭素の構築などに役立つ不斉合成反応の開発を目指す。
直田 健 大阪大学基礎工学研究科助教授 閉殻構造を有する多核有機金属分子の合成と機能創出 分子構造とその動的変化の精密化学制御を基盤に従来にない機能を有する有機金属分子素子開拓を指向した研究を行う。金属の自己組織化の化学制御により水車型2核錯体やカゴ型3核錯体等の閉殻構造を有する新規多核有機金属分子を合成し、それらの回転挙動等の動態変化、空孔による分子認識能や多点相互作用に基づく触媒作用・組織化等の動的挙動と機能制御に関する基礎研究を行うことにより、計時能、温度履歴記録能、分子変換触媒能、水素結合に依存しないゲル化能等の新機能を発現する分子素子の開拓を目指す。
中谷 和彦 京都大学大学院工学研究科助教授 DNA−ドラッグ間相互作用の精密制御 精密有機化学レベルでのドラッグとDNAの反応、認識に関する研究から、ミスマッチDNAを認識する分子が開発されている。本研究では、このミスマッチ認識研究で得られた知見を基に、DNA配列認識の新しいモチーフを提案し、遺伝子科学における有機化学のさらに高次のブレイクスルーを目指す。
山口 茂弘 京都大学化学研究所助手 有機エレメントπ電子系の構築 典型元素を組み込んだπ電子系を「有機エレメントπ電子系」という枠組みで捉え、典型元素の特性を活かした分子設計と新たな効率的合成法の開発により、真に優れたπ電子系の構築を行う。これにより、有機EL素子や有機FET素子などの有機素子、さらには将来の分子エレクトロニクス素子実現に向けた基盤材料の創製を目指す。
山口 正 東北大学大学院理学研究科助手 機能性ナノ錯体の創製 遷移金属錯体はその種類や酸化状態の違いにより、スピン、電荷、光吸収などに基づく多様な化学特性を示す。金属錯体を組み合わせ,集積して構築されるナノサイズの錯体は個々の錯体以上の多機能性,多様性を示し,その応用が期待できる。本研究ではナノ錯体の新規構築法の開発や機能性を持つナノ錯体の合成を目指す。
横澤 勉 神奈川大学工学部教授 重縮合における分子量と分子量分布の制御 重縮合は逐次重合で進行するため、生成高分子の分子量及び分子量分布の制御は困難とされてきた。本研究では、生体内で行われている制御された重縮合過程に基づいて開始剤から連鎖重合で進行する重縮合を開発し、分子量分布の狭い人工縮合系高分子を分子量制御して合成することを目指す。
*下線部は研究の実施により期待される技術の発展や新技術の創製を示す。

This page updated on November 12, 2001

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